松岡茉優が5月14日(現地時間)にカンヌ国際映画祭『万引き家族』公式記者会見で、是枝裕和監督が樹木希林の素晴らしさを語った言葉に涙を流す場面が見られた。
・[動画]松岡茉優が涙!『万引き家族』カンヌ国際映画祭公式記者会見
本作は、東京の下町で暮らす一見ありふれた家族が、実は生計を立てるため、家族ぐるみで軽犯罪を重ねていたというもの。犯罪でしかつながれなかった家族の “許されない絆”が、ある事件をきっかけに衝撃の展開を迎える。人と人との関係が希薄な今の時代に、真の “つながり”とは何かを問う感動作だ。
この日の会見には、是枝監督、松岡、樹木をはじめ、リリー・フランキー、安藤サクラ、子役の城桧吏、佐々木みゆも出席。樹木は「今年は是枝監督、去年は河瀬直美監督作品のキャストとしてカンヌに来ているが、どうして日本で一番活躍している監督の作品に自分が選ばれると思うか?」と聞かれると、「それは……」と困った表情を浮かべ思案するも、最後は「それは、わかりません」とつぶやき笑いを誘った。
また、是枝監督作品に何本も出演しているリリーは、お互いに相談し合ったりするのかと聞かれ、「是枝さんの作品に参加させてもらえることは、自分にとって特別な時間。基本的には是枝さんの思っている世界にどれだけ近づけるかが大切」と話すと、「決して大げさに言うわけではないけど、人生で感動したなと思ったことは、これまでに2回しかない」とコメント。
続けて「1回目は『そして父になる』でカンヌに連れてきてもらってスタンディングオベーションを受けた時で、2回目が昨日の夜(の公式上映)。是枝さんにはすごく勉強させてもらっているのと同時に人生を彩っていただいている。いいものを一生懸命作るということが、こういう(記者会見の)風景を見ることに繋がったり、温かさを知れたり。だから、仕事をしている感覚が是枝さんとの間ではあまりないのかもしれない」と話した。
そうした中、是枝監督は「あの、すみません、ひと言だけ」と断ると、リリーについて「そんなに言葉を交わすわけではないが、たぶん、お互いが持っている価値観が近い気がする。なので、すごく安心して一緒にいられる監督と役者の関係だなと思ってます」と補足。
今回も、台本には書かれていないセリフを樹木が口にするシーンがあり、逆に監督はそのセリフをキーワードに台本を直したり、演出の指針を考え直したりしたそうで、「そういう関わり方を演技の中でしてくれる存在は、監督にとって本当に大きい。なので『私はもう(出演するのは)いいんじゃないの』と毎回言われながらも、繰り返しオファーをするのは、彼女の作品に向き合う姿勢に助けられているから」と思いを吐露。これを聞いていた松岡は、その愛あふれる言葉に感動し、大粒の涙を流していた。
『万引き家族』は6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開となる。
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