映画『羊と鋼の森』完成披露試写会が5月20日にイイノホールで行なわれ、主演をつとめる山崎賢人をはじめ、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、橋本光二郎監督、エンディングテーマを演奏したピアニストの辻井伸行が出席した。
本作は、第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説を、映画『orange-オレンジ-』などの橋本光二郎監督が映画化。ピアノの調律に魅了された青年が、調律師の世界で、さまざまな人々と出会いながら、進む道や希望を見つけ出していく姿を描く。
この日は、世界中で注目されるピアニストである辻井が、劇中、萌音扮する和音が演奏する「水の戯れ」と、エンディングテーマ曲「The Dream of the LAmbs」を生演奏。萌音は、クランクイン前に橋本監督から分厚い楽譜を渡され、しっかり練習するように言われた際、辻井の演奏を何百回も聴いていたようで「和音の理想の音として、辻井さんの繊細で柔らかくて、でも力強い音にずっと焦がれていました」と語ると「どんな言葉でも足りません。感無量でした」と目を潤ませる。
一方の萌歌も「最初に一音聴いただけで涙がこぼれそうになりました。辻井さんのピアノの音の世界に入れて、素敵な時間でした」と感激した表情を浮かべると、山崎も「こんなに近くで聴かせてもらえるなんて、本当に貴重な経験でした」としみじみ。さらに山崎は「今日は来てよかったな」と、自身の主演映画のイベントであるにもかかわらず、観客のような感想を述べて、客席を大笑いさせていた。
山崎と橋本監督は、映画『orange-オレンジ-』でもタッグを組んでいるが、橋本監督は「いい意味で、全然変わっていなかった。このぐらいの年齢だと、自我が出てきて芝居の邪魔になることがあるのですが、カメラの前でとても素直でいられる俳優です」と賞賛すると、鈴木には「(山崎に)先輩として接して、いろいろな経験をさせてほしい」と言っていたという。
本作が初共演となる上白石姉妹は、萌音が「姉妹で共演できる喜びがありました。撮影を通じてより絆が深まったような気がしました」と感想を述べると、萌歌と見つめ合い照れ笑いを浮かべていた。
『羊と鋼の森』は6月8日より全国公開となる。
(text&photo:磯部正和)
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