映画『終わった人』の初日舞台挨拶が6月9日に丸の内TOEIで行われ、舘ひろし、黒木瞳、広末涼子、中田秀夫監督が登壇した。
本作は、人気脚本家・内館牧子の同名小説を、『リング』シリーズの中田監督が映画化。大手銀行の出世コースからはずれ、子会社で定年を迎え、世間からは「終わった人」と揶揄される男性・田代(舘)と、かつての輝きを失った夫に向き合えない妻・千草(黒木)、田代の前に現れた女性・久里(広末)らが繰り広げるヒューマンストーリーだ。
これまでダンディな役柄が多かった舘が、本作では「終わった人」を演じることについて、広末は「初めて本読みでお会いしたときは、舘さんも黒木さんも素敵すぎてまぶしくて『終わった人』ができるのかなと思っていたのですが、現場に入ると、しっかりと中年夫婦になっているんです」とベテラン2人の役作りに脱帽する。
そんな舘は「とにかくこの作品では細かいお芝居をたくさんしているので、何度も見てほしい」と客席を煽ると「今まで僕は受ける芝居が多く、自分から仕掛ける芝居をあまりやらせてもらえなかったんです。でもこの現場では中田監督と楽しくいろいろなことができた」と満足そうな表情。「でもそれは多分、黒木さんが千草という役をしっかり演じてくれたから、自由に出来たんだと思います」と続け、30年来の俳優仲間に感謝の言葉を述べていた。
広末の質問に苦笑いを浮かべていた黒木は「あえて言うなら踵(かかと)かな。向田邦子さん原作の『阿修羅のごとく』でそういうセリフがあったので……」とこだわりを明かすと、舘は「私はもう終わりそうなのですが……」と回答に困る。
さらに舘は少し言葉に詰まっていたが「そうだな、日々何をしているかと言うと……女好きかな。日々女性の人を見ている。犬でもネコでもメスしか見ないです」とジョーク交じりに発言して客席を笑いに包み込んでいた。
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