昨年は洋画が好調。年間興行ランキングのトップ10では洋画実写が5本、洋画アニメが3本の計8本を占め、洋画の年間興行収入は前年より8.2%増えた。今年上半期も洋画が好調で完全復活といえそう。支えるのは人気シリーズとスターだ。
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人気シリーズでは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の興収70億円超えを筆頭に、『キングスマン ゴールデンサークル』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ブラック・パンサー』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が10億円超えのヒット。『デッドプール2』も前作同様、ヒット発進となった。映画の内容が想像できるシリーズものは、「映画選びに失敗したくない」観客が安心して見ることができ人気だ。特にマーベルのヒーロー映画は勢いがあり、『インフィニティ・ウォー』はマーベル映画最高興収記録を更新し、『ブラック・パンサー』は15億円を記録した。
昨年は『美女と野獣』『ラ・ラ・ランド』とミュージカル映画がブームとなったが、その流れに乗って『グレイテスト・ショーマン』がヒットした。「曲を聴けば気分が上がる」ミュージカル映画はスカッとしたい観客に受けている。『美女と野獣』はディズニーの名作アニメの実写化、『ラ・ラ・ランド』はアカデミー賞受賞作。両作に比べると『グレイテスト・ショーマン』は旬の話題性には欠ける。だが、「ありのままの自分でいい」という前向きなメッセージと、ヒュー・ジャックマンというスターパワーで旬の話題性不足をはねのけた。特にジャックマンは『レ・ミゼラブル』の大ヒットもあり、「ミュージカル映画といえばジャックマン」という安心感も観客を引き付ける要因だったと思われる。
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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