細田守監督の最新作『未来のミライ』が7月20日に公開となり、TOHOシネマズ 日比谷で行われた初日舞台挨拶に細田監督を筆頭に、声優をつとめた上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子が夏らしい涼やかな浴衣姿で登壇してクロストークを繰り広げた。
本作は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『バケモノの子』など、次々と大ヒットアニメーション映画を生み出してきた細田監督の最新作。甘えん坊の男の子・くんちゃんと未来からやってきた(くんちゃんの妹の)ミライちゃんが織りなす、ちょっと変わった「きょうだい」の物語。先日第71回カンヌ国際映画祭「監督週間」にアニメーション作品で唯一選出され上映された。すでに96の国と地域での配給が決定している。くんちゃんの声を上白石が、ミライちゃんの声を黒木が、2人の両親の声を星野と麻生がつとめている。
くんちゃんとミライちゃんの不思議な大冒険が描かれる、時を超えた「家族」の物語にちなんで、「時を超えて会ってみたい人は?」という質問が用意されており、上白石は「未来は何が起こるかわからないので楽しみにとっておいて、過去に戻って、元内閣総理大臣の高橋是清さんに会いたい!」と答えて会場を驚かせた。さらに、「私が九州出身なので、なんで西郷隆盛じゃないのかと言われる方もいると思いますが、高橋是清さんは明治維新で多大なる影響を与えたすごい人なんです」と熱弁をふるい、「会って、『頑張って!』とエールがもらいたい」と力をこめた。
黒木は「未来だったらどんな旦那さんか見てみたい」と将来の伴侶に夢をはせ、「過去に戻れるなら太宰治に会って、どれほどダメ男だったのか確認したい。あわよくば書いているところを近くで見たいです」と話した。星野は「何千年もの先に行って、自分がいなくなった後の世界を見てみたい」と次世代の生命体へ興味津々の様子。麻生は「出産したら臆病になったので、自分が関係するものの未来を見るのは怖いんです。過去に戻って母に会いたい」としみじみ。
さらに、家族の愛が描かれた作品のテーマにちなんで「家族の愛を感じるのはどういうときか?」というテーマで登壇者たちがトークを展開。上白石は、実家に家族と住んでいるときに「いってらっしゃい!」という言葉に愛をすごく感じます。「よし、『今日も頑張ろう!』っていう気持ちになれる」と話した。
最後に上白石が「過去とか未来、いろんな方向にベクトルが向いた、どんな方にも楽しんでいただける作品になっています。ぜひ監督の絵のタッチから愛を感じてほしいです」とメッセージを送り、細田監督は「この映画がみなさんといい関係を作ることができたら幸いです」と客席に向かって呼びかけ、イベントを締めくくった。
(text&photo:福住佐知子)
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