女優の土屋太鳳と芳根京子が9月7日、TOHOシネマズ 日比谷で行なわれた映画『累-かさね-』初日舞台挨拶に、浅野忠信、佐藤祐市監督とともに登壇。1人2役、2人1役という関係性で共演した2人は、劇中、愛憎をぶつけ合うが「互いがいなければ乗り切れなかった」と最高のパートナーだったことを明かした。
本作は、松浦だるまの同名コミックを、土屋と芳根のW主演で実写映画化。天才的な演技力を持つが、顔に大きな傷を持つ累(芳根)と、美貌に恵まれながらも花開かずくすぶる舞台女優・ニナ(土屋)が、キスをすると顔が入れ替わるという不思議な口紅によって、互いが入れ替わり、目的をはたそうする姿を描く。
若手女優の熱演が繰り広げられる本作。それぞれが入れ替わるという難役に、土屋は「きょんちゃん(芳根)とたくさん相談しながら役を作り上げていきました。彼女がいなければ乗り切れなかった」と芳根への感謝を述べる。一方の芳根も「言葉で話して気持ちを合わせるところもありましたが、お互いの芝居を見て、心で繋げていった部分も多かった」と、語らずとも、あうんの呼吸で感じとることができた関係だったことを明かす。
そんな2人に佐藤監督は「(撮影当時)22歳(土屋)と20歳(芳根)のすごく若い役者さんが、真剣にまっすぐ頑張っている姿は、浅野さんでもたじろぐほどの迫力があった」と語ると、監督自身も2人の演技に触発されることが多かったと振り返る。
互いの信頼は壇上でも見てとることができた。どちらかが感極まると、互いの手を取り合う2人。最後の挨拶で芳根が「(完成披露では涙したけれど)今日は泣きません」と頑張って笑顔を見せていたが、土屋は「この挨拶を終えてしまうと……とても寂しいです」と表情が崩れる。そんなときも、芳根はスッと土屋の手を握り励ましあうなど、蜜月ぶりが伺える舞台挨拶となった。
(text&photo:磯部正和)
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