10月公開作の1位は『日日是好日』。森下典子が茶道教室での日々をつづったエッセイ「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を、黒木華、樹木希林、多部未華子で映画化。
9月15日に亡くなった樹木が出演していることから観客の関心が高かった。樹木が亡くなって以降、過去の映像を再放送する追悼番組が多く放映された。NHK『ファミリーヒストリー』、フジテレビ『ボクらの時代』『さんまのまんま』、TBS『ぴったんこカンカン』など。またNHKが樹木に1年間に渡り密着したドキュメンタリー『樹木希林を生きる』やテレビ東京『映画「日日是好日」の舞台裏』といった番組も放送された。10月13日公開だったが、急きょ先行上映を6〜8日に実施。シニア層が平日に数多く訪れており、落ちの少ない興行を展開している。
2位は幸福の科学出版による長編アニメ『宇宙の法 黎明編』。
なお、10月27日から公開された『映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』は初日2日間で興収3億5375万円をあげ、シリーズ最高のオープニングを記録した。本作はシリーズ15周年記念作で、18年放送の『HUGっと!プリキュア』とシリーズ第1作『ふたりはプリキュア』が共演する劇場版。そのほかの歴代の全プリキュアも出演する特別感が子どもたちを引き付けたようだ。
日本では10月興行のトップ3が興収5〜6億円とさえないが、米国では絶好調だ。オープニング興収で『ヴェノム』が8030万ドル、『ハロウィーン』が7620万ドルをあげ、10月公開作品の歴代ナンバーワン『グラビティ』の5580万ドルを超えている。10月の月間興収でも過去最高を記録した。(文:相良智弘/フリーライター)
[10月公開作ランキング]
1位『日日是好日』6.5億円
2位『宇宙の法 黎明編』5.7億円
3位『パーフェクトワールド 君といる奇跡』5億円
(10月28日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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