稲垣吾郎が主演をつとめ、第31回東京国際映画祭コンペティション部門に選出されている映画『半世界』の記者会見が10月30日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、稲垣とメガホンをとった阪本順治監督が出席した。
稲垣扮する主人公は、山中の炭焼き窯で備長炭を製炭し生計を立てている39歳の紘。突然帰ってきた中学時代からの友人で元自衛官・瑛介(長谷川博己)と再会する。久しぶりに、もう1人の同級生である光彦(渋川清彦)を加えた3人で、大人の友情を深めることになる。本作では、40歳を目前に控えた39歳の男3人の視点を通じて「人生半ばにさしかかったときに、残りの人生をどう生きるか?」という、誰もが通る葛藤、家族や友人との絆、そして新たな希望が描かれていく。
多くの報道陣がつめかけた会場に稲垣が登場。本作の感想を求められると「この作品で初めてレッドカーペットを歩かせてもらいました。実は、これまで歩いていそうだったんですが、初めての経験でとても光栄でした。自分で『歩いていそう』って言うのもなんですが(笑)」と、東京国際映画祭のレッドカーペットを歩いた感想もコメント。阪本監督は「稲垣吾郎に、炭焼き職人という役を与えて映画を撮れるのは自分だけだと思います」と話し笑いを誘った。
これまでクールな役柄ばかりが印象に残っている稲垣だが、司会から本作で演じただらしない父親役がとてもハマっていたと言われると「ハマっちゃってましたか」と苦笑い。「複雑な心境ではあるのですが、ここ数年で環境の変化があり、この作品でも、自分でも見たことがない自分を出すことができ、役者として第一歩を踏み出せたことは、とても幸せなことだと思っています」と答えた。
続けて、「自分でも見たことがない自分」というのは具体的にどういったシーンなのかと問われると「全てですよね。チェーンソーを振りかざしたり、頭にタオルを巻いてみかんを食べてるとか(笑)。今までそういった稲垣吾郎を自分で見たことがなかったので、この映画でそういうものを見られたことはとても良かった。三重県の伊勢志摩で撮影したのですが、土地の空気もそうさせたんだと思います」と話していた。
『半世界』は 2019年2月よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開となる。
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