4D、ScreenX 、IMAX─シネコンで存在感増すスペシャルスクリーン

#4D#興行トレンド

4D版も好調な『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C) 2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
4D版も好調な『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C) 2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

『名探偵コナン ゼロの執行人』の4D版(MX4Dと4DX)が全国74館で10月19日から3週間限定で上映された。原作者・青山剛昌が書き下ろした、人気キャラクター安室透のビジュアルポストカードが入場者にプレゼントされたこともあり、興収約4億円をあげる好調ぶりを見せた。4D版の興収を加えた『ゼロの執行人』の総興収は91億円となり、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊 急救命-』の92億円に迫っている。

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夏映画の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』をはじめ、アクション大作で抜群の集客力を見せる4Dシアター。最近では『ゼロの執行人』や11月2日公開『シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX』など、4D版のみでの興行も増えている(『シャークネード』はユナイテッド・シネマ、シネプレックス、コロナワールドの4DX27館で上映)。

シネコンの生き残り策として全国に広まった4Dシアター。シネコンでのスペシャルスクリーンは他にScreen XやIMAXがあるが、11月にはScreen Xが増え、IMAXも次世代版が登場するなどシネコンで存在感が増している。

3面マルチクスリーンシアター「Screen X」はこれまでユナイテッド・シネマ・アクアシティお台場のみに導入されていたが、11月9日にシネマサンシャインかほくとシネマサンシャイン下関、11月21日に開業するユナイテッド・シネマ福岡ももちに導入。全国4館へと広がる。

IMAXは、『アバター』のIMAX 3D上映で映画ファンの心をつかんだが、既に全国で32館。近くのシネコンにIMAXが導入されるケースも増え、IMAX導入館同士の競争が激しくなってきた。そこで109シネマズ川崎と名古屋では次世代型を導入する。109シネマズでは大阪エキスポシティに導入しているシステムで、4Kツインレーザープロジェクターと12chサウンドシステムが特徴だ。11月23日公開『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』からスタートする。『アバター』のように、IMAXが再び脚光を浴びるきっかけになるか、注目したい。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。