「高良健吾くんは10代の時から光をまとって、異質な輝きを放ってて…」大東駿介、オーディションを共にした20年前を回顧
高良健吾&大東駿介&石田卓也、同世代の3人が”競い合った”10代を振り返る
高良健吾主演、罪の真実と正義の在り方を問う本格ノワールミステリー『罪と悪』の完成披露舞台挨拶が開催され、高良をはじめ、大東駿介、石田卓也、齊藤勇起監督が登壇。若き頃よりオーディション会場でよく会っていたキャスト3人がどのように作品を作り上げたのかから作品に込めた思いまで、たっぷりと語った。
・高良健吾、荒んだ家庭環境に育ち闇の仕事も請け負う社長を熱演…! 大東駿介、石田卓也らと共演する『罪と悪』新場面写真
一昨年の夏、福井でのオールロケで行われた撮影から、1年半の時を経て観客に届けられる本作。今の心境を尋ねられた高良は、「(撮影は)一昨年なんですけど、皆でこの作品、役というのに必死に向き合って、答えが見つからない時はこのふたりの顔を見て、自分が困ったときに目の前にいる人から何かをもらって答えを導き出すというのはなかなかないので、作品が完成して、ここに立てて、感無量です。本当に嬉しいです」と感慨深い表情。
10代のころからオーディションなどでも顔を合わせることも多かった高良、大東、石田。本作で共演した感想、同世代での撮影だからこその刺激があったという話になると、大東が「それぞれの名前を意識し合う年代でしたね。僕らデビュー当時、学園ものたくさんあって。それぞれの学校でわちゃわちゃしてましたね(笑)」と振り返り、高良も「そういう時代でしたよね」と当時を思い出す。「嬉しかったですね。10代の時からそういうところで競ってたし、20年後にこうやって再会してやれるっていうのは信頼感が違いますね」とこの3人の共演を改めて喜ぶ高良。
「安心感があったよね」という石田に、「『20年経てできて嬉しい』っていうのをお互いの顔を前にして言えるっていうのが嬉しいですね。あとは20年間で自分の人生に向き合って、いろいろなことインプットして、“生きてきた”その背景が背中にあるんですよね」という大東。
「今まで(僕たちも)会ってなかったっていうのも良かったよね」という石田に、「この作品にぴったりあってるんですよね。それぞれが語り合っているシーンでは、芝居をしているより、もう一個その先にいるような、語り合っているようなかんじだった」と、大東も改めて本作の役柄とシンクロするするような3人の関係性に熱い思いが込み上げているようだった。
監督の地元でもある福井での撮影の話になると、「雄大な土地に背中を押されたよね」という大東に、「福井の方たちにも助けられましたよね」と高良。監督は「みんな初めてなのに、福井での撮影に新鮮な気持ちで臨んでくれて、出会ってくれた土地にも人にも感銘受けてくれてよかった」と嬉しい様子。
少年時代のある事件と20年の時を経た現在の事件を繋ぐ真相が大きな柱となっている本作にかけて、20年前の自分と変わったこと、変わっていないことを尋ねられると、石田は「変わりましたね。優しくなりましたね。見た目キリッとしているじゃないですが、ナイフみたいに。実際は話し方とか聞いたらわかると思うんですが優しいんですが、その優しさが増してましたね」と高良の変わったところを明かす。
大東も20年前を振り返り、「10代の時、3人共怒ってましたよね。ピリピリしてましたよね」と“今だから言える”エピソードを披露。続いて高良は「みんな一緒だと思うんですが、現場に慣れずに緊張していましたね。そこ、『わ〜好き〜!』みたいな(笑)。みんな変わらず現場に対して緊張感あって」と、“変わらない”3人の仕事への姿勢を絶賛した。
大東が石田の印象について「初めて会った時は“どヤンキー”が来たと思ったのに、自然に磨かれたのかな。土触っていると」と語ると、石田も「(大東は)陰でいちばんやんちゃしてましたね!」と反撃。そんな3人のやり取りに、会場からも笑いが起こった。
さらに、大東は高良の印象を「僕は同じ時代を生きたと言いつつ、高良くんは10代の時から光をまとって、異質な輝きを放ってて、いまでもそうだと思いますがね」と、今だからこそ言える高良の魅力を熱弁。
一方、監督は「20年前というと、日本映画が“ゼロ年代”と言われて、ミニシアターが流行っている時で、僕も映画を見ていて、高良さん、大東さん、石田さん、皆さんスクリーンにいたのをすごく覚えています。その20年前の方たちをこの映画でキャスティングして、出てもらえるっていう第一段階で僕は勝手に感慨深かったですね」と改めて感慨深い様子。大東も「同じ俳優といえども、3人が全然違う道筋を辿ってきて、それぞれの人生を歩んできて、そういう3人が肩を並べて一緒に作品をやれているというのがすごいですよね」と喜びを噛み締めていた。
最後に「この映画を見ることによって、それぞれにとっての罪であったり悪であったりを今一度考えてみる、考える時間を持ってしまうという、新しい自分の価値観に触れる瞬間でもあると思います。自分の中の新しい自分に出会えるものになっていると嬉しいです」と高良が話し、大盛況のままイベントは幕を閉じた。
『罪と悪』は2月2日より劇場公開。
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