11月公開作の1位は『ボヘミアン・ラプソディ』。公開直前の11月7日にジャパンプレミアが行われ、来日したラミ・マレック(フレディ・マーキュリー役)、グウィリム・リー(ブライアン・メイ役)、ジョセフ・マッゼロ(ジョン・ディーコン役)が出席し、PRに務めた。
・クイーン旋風巻き起こる! 満席続出の大ヒット作の見どころはココ!!
クイーン世代の中高年から20代まで幅広い層が詰めかけている。全国100館以上で応援上映が順次始まっており、リピーターも増えている。通常は初週末をピークに興収を落としていくものだが、本作は逆に興収を伸ばしているのが特徴で、2週目週末が前週比9.6%増、3週目が1.7%増。公開後17日間の興収は23.3億円で、同じ音楽映画として興収53億円の大ヒットとなった『グレイテスト・ショーマン』対比で112%となっている。このまま息の長い興行が続けば『グレイテスト・ショーマン』を上回る記録となりそうだ。
2位は『ヴェノム』。当初12月に予定されていた日程が11月2日に前倒しされ、10月5日の全米公開日から4週間後の公開を実現。配給元ソニー・ピクチャーズでは今年最大のヒットとなった。10月下旬にジャパンプレミアが行われ、日本語吹き替え版に参加した中村獅童、諏訪部順一、中川翔子、日本語吹き替え版主題歌を手がけたロックバンド「UVERworld」が出席した。テレビCMは「全部喰ってやる編」「この力、病みつき編」「俺たちはヴェノムだ編」「カワイイ編」の4パターンを放送。ヴェノムのユニークなキャラクターをアピールした。『デッドプール』はヒーロー映画というより、キャラ立ちしたデッドプールそのものが人気を支えたが、ヴェノムも同じといえるだろう。
4位は『スマホを落としただけなのに』。主演の北川景子は、10月上旬に出演したTBS系『オールスター感謝祭’18秋』で4分間まばたきしないチャレンジで話題を集めたが、同番組以外にも数々のバラエティ番組に出演し、作品をPRした。また10月上旬の完成披露試写会、10月下旬の公開直前イベント、11月2日の初日舞台挨拶に共演の千葉雄大、田中圭らと出席。話題作りに一役買った。(文:相良智弘/フリーライター)
[11月公開作ランキング]
1位『ボヘミアン・ラプソディ』23.4億円
2位『ヴェノム』19.3億円
3位『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』14.7億円
4位『スマホを落としただけなのに』14.3億円
(11月25日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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