高良健吾、『罪と悪』は「3～4年前、監督から構想を公園で聞いていた」撮影地・福井の上映で感慨深げに振り返る

「福井はとにかく『人』」監督の故郷でもある福井での撮影エピソードを語る

罪の真実と正義の在り方を問う本格ノワールミステリー『罪と悪』の先行上映会挨拶が開催された。様々な思惑が絡み合う骨太なミステリーを、齊藤勇起監督の故郷である福井県で全編撮り上げた本作。その福井に主演の高良健吾、そして共演の大東駿介、石田卓也が、齊藤監督と共に降り立ち、撮影の裏側や撮影エピソード、作品に込められた思いまで、たっぷりと語った。

・「高良健吾くんは10代の時から光をまとって、異質な輝きを放ってて…」大東駿介、オーディションを共にした20年前を回顧

監督が本作の構想時期から相談をしていた高良は、本日撮影地福井での上映会を迎えた心境を「一言でいうと嬉しいです。監督から構想を公園で聞いているとき、3～4年前はまだ何もなくて、でもその話が映画という形になって、こうやって福井で先行上映ができる…俳優としてなかなか味わえない過程で、本当に嬉しいです」としみじみ。

監督は「今日来てくださっているこの映画に携わっていただいた方、色々な関係者の方の力添えや、俳優の3人など、たくさんの人のお力があって、こういう場を持てた。感謝しかありません」と感慨深く語った。

福井での撮影のエピソードについて、高良は「福井はとにかく『人』。福井の皆さんに協力してもらって支えてもらって撮影ができた。エキストラの皆様がしっかりと背後を固めてくださり、説得力があったので、自分の役に引き算ができた。俳優経験があるわけではないエキストラの皆さんが、力をくれて、春というキャラクターが完成した」と、役作りにも大きく影響したと振り返った。

大東は「福井の皆さんには助けてもらえて、特に環境にも助けてもらえた。映画のスクリーンを通して、この美しい故郷がどう映っているのか、皆さんには再確認してもらいたい。これから新幹線も通り多くの人がくると思うけど、当たり前の日常が本当に素晴らしい美しいところであることを実感してほしい」と福井の風景の美しさを絶賛。

石田は「撮影の初日は緊張するもので、特に今回はシリアスなシーンだったけど、おいしいお昼ごはんを出してくれたり、深夜まで続く撮影もエキストラなどで力を貸していただき皆さんのおかげで完成した。エキストラで参加された方はいらっしゃいますか？」と客席に問いかけると10数人から手が上がる。

すると、大東はあるお客さんが持っている団扇に注目。その団扇には白い鳥が3羽描かれており、「この団扇！ 僕のクランクアップの時に、何を話そうかと考えている時に、頭上に白い鳥が3羽舞っていて。まるで僕ら3人みたいだなと思ったんです。どうしてその話を知っているんですか？」とお客さんに問いかけると、「僕もそこにいたんです」とまさかの答え。まさに、地元の方と一体になった作品作りが実感できた瞬間になった。

福井で撮影した理由を聞かれた監督は、「話を作っていくうちに、福井で撮らなきゃ、撮った方がいいなと思った。福井は映画の撮影地としてはまだまだ知られてなくて、宝の山。僕なりの福井のプレゼンでもあった。みなさんのおかげでスケールも大きくなった。小さいころ遊んでた場所も出してます」と、地元愛も理由の一つであることを明かした。

その福井で食べた、食べたい名物を聞かれると、高良・大東・石田の3人は声をそろえて「蟹！」。10月に来福している高良と石田・監督は3人で蟹を囲んだといい、大東は「今回は絶対食べます！」と鼻息荒く語った。

会場も盛り上がる中、舞台挨拶もいよいよ終了の時間に。最後に高良は「罪であったり悪であったり正義であったりいろいろな解釈がある。自ら考えることにカロリーを使うかもしれない。けれど、映画を見るからこそ考えて、新しい価値観にであえる作品になっていると思うので、その感覚を自分の中で大切に育ててもらえると、映画に携われてよかったと思うし嬉しく思います。ぜひくらって、楽しんでください」と作品への想いを語った。

大東は「今日こうやって見てもらえることを嬉しく思います。ショッキングなシーンには目をそむけていただいて、その奥にあるドラマを楽しんでもらいたい。今はどこでも映画が見れるけど、映画館にくるまでにわくわくして映画を楽しむということを実感していただき、末永く愛してもらえると嬉しいです」と観客にメッセージを送った。

石田は「僕たち以外のキャスト、スタッフ、エキストラも含めて、みんなで全力で作りました。でも、あと一歩、最後はみなさんが見てくださって感じてくださって完成するので、僕たちの映画を完成させてください」と期待を込め、舞台挨拶は終了した。

『罪と悪』は2月2日より劇場公開。

・［動画］高良健吾、暴力と不条理の街で闇の仕事も請け負う社長に 本格ノワールミステリー映画『罪と悪』予告編