就任以来、あちこちで暴走し物議を醸し続けてきたトランプ大統領。その影響は政治の世界にとどまらずハリウッドにも波及、多くのセレブたちが大統領の言動に異を唱えた2018年を振り返ってみよう。
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今年8月、ウエストハリウッド市議会は、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにあるドナルド・トランプ大統領の名前を入れた星型プレートの撤去を求める決議を満場一致で可決した。移民やイスラム教徒、障害者や女性などマイノリティを軽視し、攻撃するような人物はハリウッドの殿堂入りにふさわしくないという理由だ。現時点で撤去は行われていないが、大統領の名前入りプレートは過去2回、2016年10月と今年7月に破壊されている。
事あるごとに大統領を罵倒してニュースになっているのはロバート・デ・ニーロ。6月にニューヨークで行われたトニー賞授賞式にプレゼンターとして登場したデ・ニーロは、ブルース・スプリングスティーンを紹介する役目を果たす前にまず「ひとつだけ言おう。くたばれ、トランプ(f***k Trump)」と言い放ち、拍手喝采でスタンディングオベーションを受けた。これを無視することができずに反応してしまうのが大統領。「とてもIQの低いロバート・デ・ニーロは、映画で本物のボクサーたちから殴られ過ぎた。昨夜の彼を見たが、きっとパンチドランカー状態なんだろうと確信した」「目を覚ませ、グロッキー!」とツイートした。
9月13日(現地時間)、はハリソン・フォードがサンフランシスコで開催された国際会議「気候行動サミット」でのスピーチの際、直接名前は出さなかったものの、「科学を信じない人間、科学を信じていないふりをするリーダーを選出するのをやめなければ。誰と戦っているのかを忘れてはいけない」と訴えた。
アメリカは今年、フロリダ州を中心に大型ハリケーンやカリフォルニア州の山火事で甚大な被害が発生したが、その原因は環境破壊による地球温暖化が招いた異常気象だ。トランプ大統領は以前から地球温暖化を否定し、多くの災害被害者が苦境にある11月下旬に米政府がまとめた気候変動報告について「信じない」と発言している。
2月にはフロリダ州パークランドの高校で銃乱射事件が起き、事件後に同校生徒たちが中心となって銃規制を求める運動を始めたが、大統領は教師に銃で武装させるという仰天案を提示、これには多くのセレブが猛反発した。3月25日にワシントンD.C.など全米各地で行われた銃規制を求めるデモにはアリアナ・グランデやマイリー・サイラスがステージ・パフォーマンスで参加し、デモにはポール・マッカートニーやジョージ・クルーニー、ジュリアン・ムーアといった大御所スターから、セレーナ・ゴメス、ケンダル・ジェンナーや現ジャスティン・ビーバー夫人のヘイリー、ミレニアル世代以下の若いセレブたちも参加した。
多様な文化をルーツに持つ人々が集うハリウッドでは、イスラム教徒が多数を占める国家からの渡航禁止措置や、親子を引き離す移民政策への非難も大きい。ジョージ・クルーニーとアマル夫人は、家族から引き離された移民の子どもたちを支援するNPO団体「Young Center for Immigrant Children’s Rights」に10万ドルを寄付した。ジョン・レジェンド&クリッシー・テイゲン夫妻は、子ども2人を含めた家族4人で大統領の72歳の誕生日の6月14日に、「米国自由人権協会(ACLU)」に28万8000ドルを寄付。大統領の年齢にかけて1人あたり7万2000ドル×4=28万8000ドルという計算だ。クリッシーは「トランプの誕生日を再びグレイトなものにするために(Make Trump’s Birthday Great Again)」と、お馴染みの大統領のスローガンを皮肉って、インスタグラムで寄付の報告をし、フォロワーたちにもACLUへの寄付を呼びかけた。その後、同団体には2日間で2万人以上から総額100万ドルの寄付が寄せられたという。
そして、大統領への不信を強い言葉で発信し続けるロバート・デ・ニーロは12月にCNNに出演した際、大統領を「悪夢」と呼んだ。
「人生でいろいろなものを見てきて、今まで酷いものもたくさん見てきた。だが、これは今まで見た中で最悪なものであり、想像もしなかったものだ。でもこれが現実だ」「恥ずべき状態だが、いつかは終わる。悪夢の記憶に変わるんだ。5年後には『あの時はひどかったな』と話しているだろう」とデ・ニーロは語っている。
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