アカデミー賞作品賞にノミネートされた8本の米国での配給会社は以下のようになる。
『ROMA/ローマ』ネットフリックス
『女王陛下のお気に入り』フォックス・サーチライト
『アリー/スター誕生』ワーナー・ブラザーズ
『バイス』アナプルナ・ピクチャーズ
『ブラックパンサー』ウォルト・ディズニー
『ブラック・クランズマン』フォーカス・フィーチャーズ
『ボヘミアン・ラプソディ』20世紀フォックス
『グリーンブック』ユニバーサル
・『万引き家族』惜しくも受賞逃す、『女王陛下のお気に入り』がBAFTA最多受賞!
勝ち組は、作品賞にグループとして2本ノミネートされたフォックスとユニバーサル。20世紀フォックスとユニバーサルが1本ずつ作品賞候補に入った他、20世紀フォックスのインディペンデント部門フォックス・サーチライト、ユニバーサルのインディペンデント部門フォーカス・フィーチャーズが1本ずつ作品賞候補に入った。
13年に『ゼロ・ダーク・サーティ』(コロンビア・ピクチャーズとの共同製作)、14年に『her/世界でひとつの彼女』(ワーナー・ブラザーズとの共同製作)と『アメリカン・ハッスル』(コロンビア・ピクチャーズなどとの共同製作)、18年に『ファントム・スレッド』(フォーカス・フィーチャーズなどとの共同製作)が作品賞候補になっている。「アカデミー賞の常連の1社」と呼べる好成績だ。同社は著名な個性派監督と組むことが多く、ビグローとは2度(『ゼロ〜』『デトロイト』)、ポール・トーマス・アンダーソンとも2度(『ザ・マスター』『ファントム〜』)組んでいる。『バイス』は、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイ監督だ。
ミーガン・エリソンの兄デビッド・エリソンもプロデューサーで製作会社スカイダンスを設立。同社では『ターミネーター:新起動/ジェニシス』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』などアクション大作が多く、アナプルナとは作風が対照的だ。
一方、作品賞にノミネートされていないメジャースタジオがパラマウントとソニー・ピクチャーズ。この2社が負け組といえる。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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