ヒーロー同士の世界観を広げるマーベル
VS ヒーローの単独性を強めるDC
3月15日から公開される『キャプテン・マーベル』はマーベル初の女性ヒーロー映画。一足早く公開されたアメリカではオープニング興収が1億5300万ドルを記録する大ヒットとなっている。
・「卒業」へのカウントダウンが始まる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』今後のマーベル映画の展望は?
本作はまた4月26日公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』につながる物語だ。『エンドゲーム』は、08年『アイアンマン』から始まったマーベル映画の人気を牽引したアイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカの“第1世代”が卒業すると発表されており、マーベル映画の節目となる作品だ。
一方、DCコミックは新たな展開を見せようとしている。13年『マン・オブ・スティール』がヒットしたことで、16年から本格的に始まったDCの映画化。『バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生』にバットマン、スーパーマン、そしてワンダーウーマンを登場させ、マーベルと同じように世界観がつながっている「DCエクステンデッド・ユニバース」をスタートさせた。
同じ年の『スーサイド・スクワッド』にバットマンはちらりと登場したものの、悪役集団を主人公にしたスピンオフ的な内容にしてヒット。17年は『ワンダーウーマン』、『ジャスティス・リーグ』ではバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュ、サイボーグが揃い踏みした。だが、『アベンジャーズ』のような大ヒットとはならず、全米興収2億2900万ドルとDCエクステンデッド・ユニバース最低を記録する。全米で18年12月に公開された『アクアマン』は3億3400万ドルの大ヒット。DC映画に再び勢いを取り戻した。
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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