疑惑の俳優が不起訴、不可解な展開に疑問の声あがる

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ジャッシー・スモレットのTwitterより
ジャッシー・スモレットのTwitterより

ヘイトクライム被害を自作自演したとして訴追されていた俳優のジャシー・スモレットが26日(現地時間)、すべての罪状について不起訴となった。

ヘイトクライム被害の俳優に自作自演疑惑浮上。弁護士は嘘であると反論

人気テレビシリーズ『Empire 成功の代償』の主要キャストの1人であるスモレットは先月、1月にイリノイ州シカゴで男2人から人種および同性愛者差別的な暴力行為を受けたと通報したことが虚偽だったとして、逮捕された。

スモレットは26日(現地時間)にシカゴの裁判所に出廷したが、16件すべての罪状が取り下げられた。不起訴の決定理由は明らかにされておらず、不可解な展開に疑問の声が上がっている。

36歳のスモレットは同性愛者であることを以前から公表しているが、1月29日夜(現地時間)、シカゴ市内で外出した際、白人男性2人に人種および同性愛者差別的な暴力をふるわれ、何らかの化学物質をかけられたうえに首にロープを巻かれたと主張していた。だが、2月20日(現地時間)にシカゴ警察はスモレットの通報は虚偽で、彼を訴追したと発表した。スモレットが知人のナイジェリア人の兄弟に3500ドルの報酬を支払い、襲撃を装ったとされている。兄弟のうち1人はスモレットのパーソナルトレーナーだった。

警察によると、スモレットの動機は「自分の出演料に不満があった」からだというものだった。襲撃事件前、撮影スタジオ気付で自分に宛てて人種差別的内容の脅迫状も送りつけていたという。首にロープを巻くのは、かつて白人至上主義団体などが黒人をリンチにかけて絞首したことを想起させることもあり、このような形で自作自演をしたことについて、自身も黒人であるシカゴ警察のジョンソン本部長は「なぜ虚偽の通報をするために、あろうことかアフリカ系アメリカ人男性が首つり縄という象徴を使用したのか」と非難していた。

ジョンソン本部長は26日(現地時間)、スモレットが「シカゴ市に謝罪する必要がある」と述べ、スモレットが虚偽の通報をしたという見解を変えなかった。シカゴ市長のラーム・エマニュエルも不起訴決定について「司法の隠ぺいだ」と非難。一方、スモレットの弁護士は「不起訴決定後も、地元の当局がジャシー・スモレットに対して異を唱え続けていることは残念です。事実は明白です」「公僕がスモレット氏の権利を侵害することはできません」と不快感を示している。

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