ジワジワと支持広げ『相棒』や『トリック』に並んだ『おっさんずラブ』

#ボーイズラブ

『おっさんずラブ』
(C)テレビ朝日
『おっさんずラブ』
(C)テレビ朝日

(前半「ついにジャニーズまで! どんどんメジャー化するBL系作品」より続く)

【BL系作品のメジャー化】中編
ノイタミナでも初のBL系をアニメ化

昨今、注目が高まり、どんどんメジャー化してゆくBL系作品。この春にはゲイカップルの食卓を描く『きのう何食べた?』がドラマシリーズ化され、放送中だ。

ドラマだけでなくアニメのほうでも、フジテレビの深夜アニメ枠として人気の「ノイタミナ」でも初のBL作品のアニメ化が決定。同名の人気コミック原作の『ギヴン』が7月から放送開始されると発表され、こちらも注目を集めている。

原作はキヅナツキが手がけ、こちらはBL誌「シェリプラス」で連載中の正真正銘のBLコミック。高校生のバンドと恋を描いた繊細なタッチの青春ストーリーとなっている。ギターにもバスケにも情熱を失いかけた主人公の立夏が、壊れたギターを抱えたつかみどころのない真冬と出会い、くすんだ日々が変わっていくさまを描く。

エロいBLが苦手という人にも入りやすく、恋だけじゃなくバンドに関してしっかり描かれて音楽モノとしても面白い。真冬の過去などシリアスでもあり、高校生が眩し過ぎる大人には大学生カプも登場してちょっと大人でわかっているからこその切なさも描かれる。

間口が広い作品だからBL作品に触れたことがない人もこれを機会にBL世界を覗くことができ、BL愛好者をさらに増やすことになるハズだ。珍しくドラマCDと声優が変更になっているため残念がる声もあがっているが、コミックで親しんできた従来のファンは演奏シーンが音と映像で再現されることに期待が寄せられている。

また、夏には社会現象とまでなった『おっさんずラブ』の劇場版が控えており、8月23日に公開されることが決まった。

2018年春にテレビドラマシリーズとして放送された『おっさんずラブ』は、冴えないサラリーマン・春田を巡っておっさんたちが恋のさや当てを繰り広げるコミカルなBL系作品だ。視聴率こそズバ抜けた記録を出すほどではなかったが、SNSを中心にネットで盛り上がりを見せ、ジワジワとファンを増やして一般に浸透し、女性だけでなく男性にも広く支持を得た。

プロデューサーいわく、近年のテレビ朝日でドラマシリーズから映画化されたのは『相棒』や『トリック』ぐらいのものなのだとか。そんなメジャー作と肩を並べるとは! BL系作品もいよいよもって市民権を得てきたものだなぁと感慨深く思う。

後編「ジャニーズも参戦! 男同士の本気の恋愛を行定監督はどう描く?」に続く…

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