名取裕子が5月26日にJ:COM Wonder Studioで行われた松本清張生誕110年記念展のスペシャルトークショーに出席した。松本清張の映像作品に数多くの出演経験のある名取が作品の魅力などについて語った。
・松本清張生誕110年記念展「名取裕子スペシャルトークショー」、その他の写真、その他の写真
AXNミステリーの「松本清張生誕110年記念特集」の放送を記念して開催された松本清張生誕110年記念展では、初公開の遺品等、貴重な品々が5月26日から31日まで特別展示される。イベント当日は、日本各地で気温が30度を超える暑さとなった。優雅で涼やかな着物姿で登場した名取は、日本文壇界の重鎮として知られる故・松本清張の印象を聞かれると「写真だと巨匠というイメージだけど、実際はすごく優しくてかわいいところがある人でした。とてもピュアで子どものようなところがあり、ご家族を大切にされていました」と、その人柄を懐かしんだ。
松本の仕事への姿勢に関しては「いつもすごく楽しそうで、嫌々仕事をしていなかった。ありとあらゆることに関してご自身で取材されており、書斎にはたくさん本が積んでありました」と話し、松本清張作品の魅力についても「時代の背景であったり、地方紙の1つの記事からでもその根っこにあるものを探る、『圧倒的な取材力』と歴史ものに対しての『ものすごく深い解釈』です。普段見ているニュースなどにも『物事には裏がある』ことを気づかされました」とコメントした。
さらに「清張先生は、人間の普遍的な心理を描いていて、人間の欲、バランスが崩れたときにどうなるか、人間の心のゆらぎや強さ、弱さを細やかに見つめてすくいとり、だれもが犯罪者になってしまう、危うい一線と、それを越えてしまった人たちの背景などを先生の作品から学んだ気がします。言っていることと心の奥底にあるものとの乖離などは人間には存在し、それが必要だということを、つい忘れてしまいがちな現代だからこそ、今一度清張先生の作品を見て感じてもらいたいです」と作品の魅力を語っていた。
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