『名探偵コナン』新記録達成へ弾み

#名探偵コナン#映画興収レポート

『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』
(C)2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』
(C)2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

5月に入ってからもGW映画は好調だ。『名探偵コナン紺青の拳(フィスト)』は興収85.8億円。前作(最終興収91.8億円)にあと6億円に迫っており、7年連続でのシリーズ最高更新が見えてきた。5月30日に全国13都市20劇場で応援上映が実施され、新記録達成へ弾みがつきそう。

7年連続のシリーズ最高更新も見えた! 前作17%上回る絶好調『コナン』

『アベンジャーズ/エンドゲーム』は55億円。前作『インフィニティ・ウォー』の37.4億円を超え、シリーズ最高記録を更新中だ。世界興収は26億8300万ドルに上り、歴代1位『アバター』の27億8800万ドルに迫っている。全米興収は8億400万ドルで、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(9億3670万ドル)に次ぐ2位となっている。『キングダム』は48.7億円をあげ、『マスカレード・ホテル』を超えて今年の邦画興収1位を記録。近年流行りのマンガ原作の実写映画化では14年『るろうに剣心 京都大火編』(52.2億円)以来の50億円超えとなり、大成功を収めた。本作は原作の1〜5巻を実写映画化したもので、続編製作にも期待が高まる。

5月公開作1位は『名探偵ピカチュウ』の23.6億円。毎年7月に公開されるアニメ『ポケットモンスター』の近年の興収を見ると、17年『キミに決めた!』35.5億円、18年『みんなの物語』30.9億円。『名探偵ピカチュウ』はハリウッドの実写映画ではあるが、最終的には同程度の興行成績に落ち着きそうだ。

2位は『コンフィデンスマンJP』。配給元・東宝のWEB初日アンケートによると、客層は男女比が40.4対59.6、年代別では20代が26.6%、50代が21.6%、30代と40代が同じ15.9%。鑑賞動機(複数回答)は「テレビドラマが好きだから」が78.4%、「ストーリーが面白そうだから」が32.5%。テレビドラマの映画化という強みを遺憾なく発揮している。出演の長澤まさみ、東出昌大、小日向文世、小手伸也がバラエティ番組などに出演して映画をPR。また製作元フジテレビでは公開直前の5月13〜17日に小手扮する五十嵐を主役に据えたスピンオフドラマを放送した。

今年は長澤が出演する映画が相次ぎ、いずれも大ヒット。『マスカレード・ホテル』は主演・木村拓哉に協力するホテルのフロントクラーク・山岸尚美、『キングダム』では主演・山崎賢人を助ける山の女王・楊端和を演じている。

3位は『空母いぶき』。主演の西島秀俊は札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡での先行上映会や東京での公開記念舞台挨拶に出席し、PRに尽力した。総理大臣役で出演した佐藤浩市が『ビッグコミック』で答えたインタビューが波紋を呼んだことも話題性の喚起につながったとみられる。(文:相良智弘/フリーライター)

[5月公開作ランキング]
1位『名探偵ピカチュウ』23.6億円
2位『コンフィデンスマンJP』12.1億円
3位『空母いぶき』3.3億円
(5月26日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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