映画『長いお別れ』の公開記念舞台挨拶が6月1日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、蒲田優惟人、中野量太監督が登壇した。
父親・東昇平役の山崎努は、都合がつかずに急きょ欠席。そんな山崎から集まった観客へ向けて書かれた手紙が読まれた。「昇平さんと僕は同年齢です。彼と共に暑い一夏を過ごしました。今、『ゆ〜っとするんだな』のシーンを思い出しています。皆さんもときどき芙美(蒼井)のように『ゆ〜』っと寝転んで下さい。今日のご無礼、お許し下さい」。
手紙に対して蒼井は「山崎努さんの著書『俳優のノート』を10代の最後の方に買って、それに一生懸命線を引きながら読んで学んできて、こうして10年以上の時を経て大先生と共演できた感じがしました」と山崎との初共演にしみじみ。続けて「自分にとって意味のある作品になりました」と感慨深げに語った。
蒼井は「値段は変わらないのにハンバーガーやアイスのサイズが変わって小さくなるのは切ない…と言おうと思ったけれど、松原さんのすばらしい発言の後なのでやめます」と笑わせつつ「誠実な映画作りはなくならないでほしい。いい時代に映画の世界に入れてもらったので、自分が映画に触れて得た興奮を次の世代にも味わい続けてほしい」と継承を願った。竹内は「私も食べ物のサイズは変わってほしくない。でも私の手が大きくなっただけではないのか? とも思う」と、蒼井の食べ物の実質値上げに対する発言にかぶせつつ「この映画には、恋人であり家族であり親子であるという部分が詰まっているので、私も健康的にいつまでもおいしくごはんを食べ、おいしいお酒を飲めればいい」と変わらぬ家族愛を理想とした。
最後に中野監督は「山崎さんが試写を見たときに、『媚びずに堂々とした立派な映画だ』と言ってくれました。それがとてもとても嬉しかった。この作品はそういう映画です。笑って泣けて、認知症を扱った今までにない映画になりました」と胸を張った。
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