2019年はディズニー名作アニメの実写映画化が相次いで公開される。
公開済み『ダンボ』
6月7日公開『アラジン』
8月9日公開『ライオン・キング』
全米公開10月18日『マレフィセント』続編(日本公開未発表)
先陣を切った『ダンボ』の興行が振るわなかった。興行収入は全米で1億1150万ドルで、昨年の年間ランキングで30位に相当。日本では推定10億円で、昨年の洋画年間ランキングで24位に相当する。同じディズニー名作アニメの実写映画化で、昨年公開された『プーと大人になった僕』(24.3億円)の半分にも届かない興行成績だ。
14年『マレフィセント』2億4100万ドル(全米)、65.4億円(日本)
15年『シンデレラ』2億100万ドル、57.3億円
16年『ジャングル・ブック』3億6400万ドル、22.1億円
17年『美女と野獣』5億400万ドル、124億円
18年『プーと大人になった僕』9900万ドル、24.3億円
これまでは毎年1本のペースで公開されてきたが、今年は一気に4本。来年は『ムーラン』、『クルエラ』(原題、『101匹わんちゃん』の悪役クルエラが主人公)の公開が予定されており、ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化する『ジャングル・クルーズ』も控えている。
『ダンボ』が日本でつまずいた要因は何か。公開された3月29日は『ドラえもん』が週末興行ランキング5週連続1位を記録している真っ最中。ファミリー客を『ドラえもん』に奪われたと推測される。さらに若い女性客は、『ダンボ』の2週間後に公開された『名探偵コナン』の主要ファン層でもる。ディズニーの中心客層であるファミリーと若い女性を『ダンボ』前後の強力タイトルに奪われたことが『ダンボ』の動員伸び悩みの大きな要因だろう。
『アラジン』は『美女と野獣』と同じく、声優がセリフだけでなく劇中歌も歌うプレミアム吹き替え版を製作。主人公アラジンを俳優・中村倫也、ヒロインのジャスミンをミュージカル女優の木下晴香が担当。またランプの魔人ジーニーを声優・山寺宏一が担当している。
日本より一足早く5月24日から公開された米国ではオープニング4日間で興収1億1700万ドルの大ヒットスタートを切った。日本での出足に期待したい。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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