3月の映画興収、口コミで評判広がり『変な家』大ヒット【興収レポート】
1位は『ドラえもん』、興収40億円見込める
【興収レポート】3月公開作の1位は『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』。のび太たちが、地球から音楽がなくなる危機に立ち向かう。ゲスト声優で石丸幹二、芳根京子、かが屋(加賀翔、賀屋壮也)が参加している。
・『劇場版ハイキュー!!』が大ヒット、『君たちはどう生きるか』を上回る出足
公開後31日間の興収は31億円で、前作『のび太と空の理想郷(ユートピア)』(総興収43.4億円)の94%。このままのペースで興収を伸ばせば、最終的に興収40億円以上が見込める。
19年公開『のび太の月面探査記』の総興収が50.2億円、20年『のび太の新恐竜』が33.5億円、22年『のび太の宇宙小戦争2021』が26.9億円。コロナ禍に公開された『ドラえもん』シリーズは興収を落としてきたが、23年『のび太と空の理想郷』が43.4億円をあげV字回復を成し遂げた。『のび太の地球交響楽』も前作並みの総興収になりそうで、安定した人気を見せている。
2位は『変な家』。変な間取りの家の裏に隠された真実に迫る展開で話題を集めたYouTube動画をもとに、動画制作者・雨穴が自ら物語の続きを加筆して書籍化した同名小説を映画化したミステリー。3月15日から公開され、2週目の週末3日間の興収が前週比9.3%増、3週目が5.5%減と落ちの少ない興行を展開し、3月31日時点の興収は26.2億円。口コミで評判が広がっている。
・[動画]アカデミー賞監督賞『オッペンハイマー』ノーラン監督が『デューン 砂の惑星PART2』ヴィルヌーヴ監督と対談
『オッペンハイマー』が洋画最大のヒットスタート
3位は『デューン 砂の惑星PART2』で、21年に公開されたSF映画の続編。
なお、アカデミー賞で作品賞や監督賞など最多7冠に輝いた『オッペンハイマー』が3月29日から公開され、31日までの3日間で興収3.8億円をあげた。今年公開の洋画で最大のヒットスタートを記録した。
またアカデミー賞で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』はアカデミー賞授賞式前日の3月10日時点で60.7億円だったが、31日時点で71.4億円と10.7億円アップ。長編アニメーション映画賞を受賞した『君たちはどう生きるか』は89.8億円から92.6億円に。『ゴジラ』の方がアカデミー賞効果が大きかった。宮崎監督は2度目の受賞だったのに対し、視覚効果賞を日本映画が受賞するのは初めてで話題性が大きかった。
また『ゴジラ』は2度のイベントで露出を増やしたことが動員を後押しした。1つは3月12日に山崎貴監督らオスカー像を手にした4人が羽田空港内のホールで行った凱旋記者会見。ヒロインを演じた浜辺美波がサプライズで出席した。もう1つは20日にTOHOシネマズ日比谷で行ったアカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台挨拶。山崎監督のほか、出演者の神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介が参加した。(文:相良智弘/フリーライター)
[2024年3月公開作ランキング]
1位『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』31億円
2位『変な家』26.2億円
3位『デューン 砂の惑星PART2』6.3億円
(ムビコレ調べ。3月31日時点)
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