綾野剛主演、杉咲花、佐藤浩市らの共演で、「悪人」「怒り」など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の最高傑作と評される「犯罪小説集」を、『64 –ロクヨン−』の瀬々敬久監督で映画化する『楽園』。この作品の主題歌が、作詞・作曲:野田洋次郎(RADWIMPS)、歌唱:上白石萌音の「一縷(読み方:いちる)」であることが明かされ、その主題歌入り予告編が解禁となった。
ある地方都市で起きた少女失踪事件。家族と周辺住民に深い影を落とした出来事をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士(たけし)と、失踪した少女の親友だった紡(つむぎ)。不幸な生い立ち、過去に受けた心の傷、それぞれの不遇に共感しあう2人。だが、事件から12年後に再び同じY字の分かれ道で少女が姿を消したことから、事態は急変する。
一方、その場所にほど近い集落で暮らす善次郎は、亡くした妻の忘れ形見である愛犬と穏やかな日々を過ごしていた。だが、ある行き違いから周辺住民といさかいとなり、孤立を深める。次第に正気は失われ、誰もが想像もつかなかった事件に発展する。2つの事件、3つの運命、その陰に隠される真実とは──。そして、“楽園”を求め、戻ることができない道を進んだ者の運命とは?
綾野が主人公の孤独な青年・豪士、杉咲が失踪した少女の親友・紡、佐藤が善次郎を演じる。ほかに、柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣らが出演する。
解禁となった予告編は、少女が失踪する直前の分かれ道からスタートし、「未解決のまま12年」というテロップに続いて、殺人の容疑をかけられ罵声を浴びる豪士(綾野)、「どうしてお前が生きてる」と心ない言葉をかけられる紡(杉咲)、集落の人間から村八分にされる善次郎(佐藤)という、運命に翻弄された3人がもがき苦しみ、感情をむき出しにする姿が描き出されていく。
さらに、同時解禁となった主題歌「一縷」は、冒頭でも記した通り、RADWIMPSの野田洋次郎が作詞・作曲・プロデュースし、女優のほか、歌手としても活躍中の上白石萌音が歌唱を担当している。『君の名は。』公開当時、主人公・三葉の声を演じた上白石が、主題歌の1つであり空前のヒットを記録したRADWIMPSの「なんでもないや」をカバーし大きな話題となった。以来、約3年ぶりとなる本作で、野田が初めて上白石に楽曲を書き下ろした。「一縷」というタイトルの通り、登場人物たちが探し求めた一筋の光のように響き渡る美しい旋律が本作のドラマをさらに盛り上げる。
本作の主題歌を担当することに上白石は「初めてこの楽曲をいただいた時、部屋にこもって正座して聴いたのですが、気づいたら泣いていました。まさに、小さい光が差したような気がしたんです。洋次郎さんが、映画を見終わった人の小さな“救い”や“光”になればという気持ちが、もう最初に私の“光”になっていて『なんという名曲を歌うことになってしまったんだろう』と思ったのを覚えていますし、洋次郎さんに曲を書いていただくことが、私の夢の1つだったので、今回それが叶ってとても幸せです。『初めて歌うように、この曲を歌って欲しい』とアドバイスをいただいて、洋次郎さんの前で一度全部捨てて、まっさらな気持ちでレコーディングに臨みました。映画をご覧になる方にとっても、日常に寄り添う曲という意味でも、大切にしていただける曲になったら嬉しいです」。
『楽園』は10月18日より全国公開となる。
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