映画『サウナのあるところ』のヨーナス・バリヘル監督、ミカ・ホタカイネン監督、出演しているミッコ・リッサネンとカリ・テンフネンの4人が来日。9月14日に都内で行われた初日舞台挨拶に登壇した。
本作は、サウナの本場・フィンランドで1年以上ロングラン上映を記録した本格サウナドキュメンタリー。この日は、元軍人のカリは軍服、ミッコは「映画の中では裸だから」とバスローブ姿で登場した。
日本では今、空前のサウナブームが到来中。初めて日本に来たという4人に日本式サウナを体験した感想を尋ねると、ヨーナス監督は「これまでの人生でもトップに入るような素晴らしいサウナでした」と回答。ミカ監督はその意見に深く頷きながらも「1つだけ疑問があります。なぜサウナにテレビがあるの?」と日本独特のサウナ文化に突っ込みを入れ、会場を沸かせた。
そもそも、なぜサウナを舞台に映画を作ろうとしたのか? その質問にヨーナス監督は「公衆サウナに入っていた時、20代の男性2人が入ってきて『人生を共にする女性を見つけたんだ!』と目を輝かせながら話し始めたんです。他人がすぐそこにいるのに気にならないのかな? と不思議でした。3時間ほど経った頃、今度は60代の男性が入ってきて、『妻と別れる決意をした』と話し出したんです。私がそこにいるのに! そこで改めて、サウナは男たちにとって、こんなにも心を開ける場所なんだと気づかされました」と、いかにサウナで男たちがプライベートな告白をしているのかを語った。
続いて、出演者へ「サウナという場所で裸で、しかも自分のプライベートな話をすることに抵抗はなかったか?」という質問が投げかけられると、ミッコは「とても恐ろしかったです。話を受けていいのか非常に悩みました。私は子どもを亡くすという辛い経験をしてから、様々なケアサポートグループに参加して、いろいろな人に支えてもらいました。ですから、この映画で自分の体験を話すことで、自分も誰かの役に立てるのではないかと思ったんです」と答え、元軍人のカリは「恐ろしいイメージの軍人でも、ハードな外見の中には温かい、弱い心を持っているんだとわかってもらえたと思います」と話した。
また、ミカ監督は「私の父は1930年生まれで、水も電気もないとても貧しいところで育ちました。その時代のフィンランドでは、どこの家でもサウナで出産して、亡くなった人の体をサウナで清めたそうです。そういう神聖な場所だったんですね。生まれた時から死ぬまで一生関わる場所がサウナなんです」と話し、ヨーナス監督は「私は子どものこ頃、父親がいなかったもので、サウナのルール、習慣を教わるため、隣の家のおじさんと一緒にサウナに入っていました。そこでおじさんが話していたことが今でもしみついているんですが、『ロウリュの音はまるで教会のパイプオルガンのよう。その音色が心を癒してくれる』と。サウナは体を洗う場所でもあるが、心を洗う場所でもあるんです」と、いかにフィンランド人にとってサウナが神聖で大切な場であるかを語っていた。
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