三谷幸喜人気が復活! ミドルシニア層に支持され1位に

#映画#映画興収レポート#かぐや様は告らせたい-天才たちの恋愛頭脳戦#三谷幸喜#人間失格 太宰治と3人の女たち#記憶にございません

『記憶にございません!』
(C)2019フジテレビ 東宝
『記憶にございません!』
(C)2019フジテレビ 東宝

9月公開作1位は三谷幸喜監督作『記憶にございません!』。配給元・東宝のWEB初日アンケートによると、客層は男女比が45対55、年代別では50代が38.3%、40代が20.2%、60代以上が18.7%。40代以上が中心客層となっている。

No.1は『ライオン・キング』、IMAXや4DXが興収を後押し!

三谷監督作は、2作目『みんなの家』(01年)が興収12.5億円のスマッシュヒットを飛ばした後、3作目『THE 有頂天ホテル』(06年)が興収60.8億円にジャンプアップしてメガヒットを記録した。以降、興収30億円前後の大ヒットを連発する。『ザ・マジックアワー』(08年、39.2億円)、『ステキな金縛り』(11年、42.8億円)、『清須会議』(13年、29.6億円)。だが前作『ギャラクシー街道』(15年)は興収13.2億円で三谷人気に陰りが見えた。

本作の興行成績は公開後10日間で17.6億円。3連休が2回あり休日に恵まれて観客増につながった側面もあるが、既に前作を超えた。最終興収で30億円以上が見込まれており、再び人気が上向いたといえるだろう。

製作元のフジテレビでは三谷作品を放送したり、出演者がバラエティ番組に出演するなど局を上げた一大プロモーションを展開。「土曜プレミアム」では『ステキな金縛り』『清須会議』を2週連続で放送。『ボクらの時代』には、中井貴一、佐藤浩市、三谷幸喜が出演し、2週連続で放送。『ダウンタウンなう』に三谷、『さんまのまんま』に石田ゆり子が出演。さらに、三谷は公開日13日には早朝4時55分から夜24時55分までフジで放送された全ての番組に登場した。

2位は『かぐや様は告らせたい-天才たちの恋愛頭脳戦-』。配給元・東宝のWEB初日アンケートによると、客層は年代別で13〜15歳が22.4%、16〜19歳が21.6%、20代が18.8%、12歳以下が12.7%。近年、本作のように10代20代を狙った恋愛映画は数多く作られ、興収20億円超えの大ヒットが生まれてきた。14年『ホットロード』24.7億円、『アオハライド』19億円、15年『orange-オレンジ-』32.5億円、『ヒロイン失格』24.3億円、『ストロボエッジ』23.2億円、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』22億円、17年『君の膵臓をたべたい』35.2億円、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』28.2億円。だが、18年は20億円越えがなかった。

『かぐや様』は9月23日時点で15.2億円をあげており、最終的には2年ぶりに20億円超えになりそうな大ヒットだ。アンケートによると、鑑賞動機は「キャストが好きだから」が81.1%、「設定が面白そうだから」が34.5%。「King & Prince」の平野紫耀と橋本環奈の共演が強い訴求力となって観客を引き付けた。

3位は『人間失格 太宰治と3人の女たち』。主演の小栗旬をはじめ出演者がバラエティ番組に出演してPRに務めた。(文:相良智弘/フリーライター)

[9月公開作ランキング]
1位『記憶にございません!』17.6億円
2位『かぐや様は告らせたい-天才たちの恋愛頭脳戦-』15.2億円
3位『人間失格 太宰治と3人の女たち』7.1億円
(9月23日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。