公開と同時に世界的な大ヒット作となった『ジョーカー』。実は企画の初期段階ではマーティン・スコセッシ監督がプロデューサーに名を連ねていた。トッド・フィリップス監督が起用された2017年のことだが、いつの間にかスコセッシの名前はリストから消えていたという。一時は自身が監督も務めることを希望していたという説もあるが、製作のワーナー・ブラザースはコメントを拒否。スコセッシ監督側は、プロデュースのみで監督する意図はなかったとコメントしている。
・『ジョーカー』が日米共に大ヒット。ヒットを後押しした4つの要因とは?
ホアキン・フェニックスがコメディアンを目指す孤独な主人公を演じた『ジョーカー』は『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』というスコセッシの監督作へのオマージュを感じさせる作風が話題になっている。
スコセッシといえば、最新作『アイリッシュマン』のプロモーションで受けたインタビューでMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)について「映画じゃない」とコメント、炎上騒ぎになった。
イギリスの映画雑誌「Empire」誌のインタビューで「見ていないんんだ。見ようとはしたんだけどね。あれは映画ではない」と語ったスコセッシ。「正直なところ、出来はいい作品だし、俳優たちもあの状況下で最善を尽くしているのはわかるが、私の頭に浮かぶもので一番近いのはテーマパークだ。人間が感情的、心理的な体験を別の人間に伝える“映画”ではない」と言い切った。
一方、MCUでアイアンマン/トニー・スタークを演じるロバート・ダウニー・Jr.は人気ラジオ番組「Howard Stern Show」に出演し、「だって映画館で上映されているからね」と言いつつ、「(スコセッシの)意見はありがたく受けとめる。いろいろな見方が必要だし、そのおかげで前進もできる」と語った。そのうえで一時期、次回のアカデミー賞で『アベンジャーズ エンドゲーム』でノミネートされるためのキャンペーンの話が持ち上がっていたことを明かし、「でも僕は『やめよう』と言ったんだ」と賞レースに関わらない意志を明らかにした。
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