稲垣吾郎「いまの社会にとって必要な映画だと思います」私情と正義の狭間で揺れ動くジャーナリスト熱演、『あんのこと』を語る
稲垣吾郎演じるジャーナリスト・桐野の新規場面写真&メイキング写真が到着
河合優実が主演を務め、稲垣吾郎と佐藤二朗が共演する入江悠監督最新作『あんのこと』。本作より、稲垣が演じるジャーナリスト・桐野の新規場面写真&メイキング写真、コメントを紹介する。
・稲垣吾郎演じるジャーナリストが、虐待の末に薬物に溺れる少女を見守る――河合優実主演『あんのこと』メインビジュアル
本作は、2020年6月の「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」をもとに描く、衝撃の人間ドラマ。機能不全の家庭に生まれ、虐待の末に薬物に溺れる少女が、人情味あふれる型破りな刑事をはじめとした人々に出会い、生きる希望を見いだしていく。しかし、微かな希望をつかみかけた矢先、どうしようもない現実が彼女の運命を残酷に襲う。
香川杏、20歳。シャブ中でウリの常習犯。ホステスの母親と足の悪い祖母と、3人で暮らしている。子どもの頃から、酔った母親に殴られて育った。小4から不登校。初めて体を売ったのは12歳で、相手は母親の紹介だった。
希望はおろか絶望すら知らず、ただ繰り返される毎日。そんな薄暗闇の世界が、ある出会いをきっかけに少しずつ変わり始める。だが、やっと繋がった細い糸も突然のコロナ禍に断ち切られてしまい──。
稲垣吾郎が演じるのは、週刊誌の編集部で働くジャーナリストの桐野。杏に小さな老人ホームで介護の仕事を紹介する一方で、3年前から多々羅(佐藤二朗)と主催する薬物更生者の自助グループ・サルベージ赤羽の活動を取材している。
今回紹介する場面写真では、最低限の荷物を持って家を飛び出した杏を迎える多々羅と桐野ら3人を捉えたシーンをはじめ、桐野がある衝撃的な事実に呆然とし腰を抜かす姿や、ジャーナリストとしての仕事ぶりが垣間見れる編集部での様子が切り取られている。また、喫茶店や取調室でのメイキング写真も到着した。
河合優実が“影の主人公”と表現するように、主人公・杏の人生を描く一方で、実際の事件を取材した新聞記者をベースにした桐野の目線からも語ることができる本作。桐野が自分の心情を語るセリフは劇中では一切ないため、稲垣は役作りに苦労したそうだが、入江監督は「桐野という人物が抱える独特の居心地の悪さ、どっちつかずの葛藤みたいなものを、稲垣さんが絶妙に体現してくれました。シーンによっては無表情で、何を考えているのか見えにくいこともある。でもトータルの芝居には何とも言えない揺れが滲むんです。見事だと思いました」と称賛を送っている。
稲垣は自身の役柄について、「ジャーナリストとしての正義感と、2人との友情と、一会社員としての下心。いろんなところで揺れ動く役なので、それが上手く伝わってればいいなと僕も迷いながらやりました。答えがひとつではない映画ですが、いまの社会にとって必要な映画だと僕は思います」とコメント。杏へのサポートと、ジャーナリストとしての正義に揺れる人物像に、観客自身も自分ならどうするか?と考えずにはいられない。複雑な葛藤を抱えた桐野というキャラクターに注目だ。
『あんのこと』は6月7日より全国公開。
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