「女性版オスカー望む」に女性映画人が多数賛同! 多様性示す映画芸術科学アカデミー授賞式

#オスカー#ウェス・ステューディ#ガヴァナーズ賞#ジーナ・デイヴィス#デヴィッド・リンチ#リナ・ウェルトミュラー

ジーン・ハーショルト人道賞を受賞したジーナ・デイヴィス
ジーン・ハーショルト人道賞を受賞したジーナ・デイヴィス
ジーン・ハーショルト人道賞を受賞したジーナ・デイヴィス
アカデミー名誉賞を受賞した、91歳のリナ・ウェルトミューラー監督
アカデミー名誉賞を受賞したウェス・ステュディ
デヴィッド・リンチ監督のアカデミー名誉賞を祝い駆けつけたカイル・マクラクランとローラ・ダーン。カイル・マクラクランのInstagramより

来年2月に発表になる第92回アカデミー賞に先駆けて、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催する第11回ガヴァナーズ賞授賞式が27日(現地時間)、ロサンゼルスで開催され、アカデミー名誉賞をデヴィッド・リンチ監督、俳優のウェス・ステューディ、イタリアのリナ・ウェルトミュラー監督が受賞、ジーン・ハーショルト人道賞を女優のジーナ・デイヴィスが受賞した。

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長年、映画業界に人道的な貢献をした人物に贈られるジーン・ハーショルト人道賞を受賞したデイヴィスのプレゼンターとして登場したのは、かつて実在した全米女子プロ野球リーグを描いた『プリティ・リーグ』(92)で共演したトム・ハンクス。「ジーナの倫理観、信条、善悪を判断するセンスは彼女の仕事に現れています」と讃えた。ジーナはスーザン・サランドンと共演した代表作『テルマ&ルイーズ』(91)を挙げて「映画館を出てきた女性たちがエキサイトし、勇気づけられるような映画を作る機会がいかに少ないかに気づきました」と語り、「社会のほぼあらゆる分野でジェンダー格差の大きな問題があります。でも、女性の過小評価を一夜にして正すことのできる場所があります。スクリーン上です」とスピーチした。

アカデミー名誉賞は映画業界に大きく貢献しながら、アカデミー賞を受賞していない功労者に贈られる。

『イレイザーヘッド』(76)『エレファント・マン』(80)『ブルーベルベット』(86)やテレビシリーズ『ツイン・ピークス』などでオリジナルな世界を表現し続けるデヴィッド・リンチ監督のために、『ブルーベルベット』『ツイン・ピークス』で共演したカイル・マクラクランとローラ・ダーンが駆けつけ、マクラクランは会場で撮ったスリーショットをSNSに投稿。「すごくうれしいよ、デイヴ!」と盟友の受賞を祝福した。授賞式でダーンから「デヴィッドは本当にルネッサンス・マンです」と紹介されたリンチ監督は「あなたたちは非常に興味深いセンスの持ち主ですね」とユーモラスに短くスピーチしてトロフィーを受け取った。

『ダンス・ウィズ・ウルブス』(90)や『ラスト・オブ・モヒカン』(91)で知られる純血のチェロキー族の俳優ウェス・ステュディのプレゼンターは『荒野の誓い』(17)で共演したクリスチャン・ベイル。「ウェスのことを考える時、いつも『なんて素晴らしい顔なんだ』と思います。歴史と経験、人柄、尊厳、この世のあらゆる感情が刻み込まれた顔。多くのことを一度で語れる顔です」と紹介した。ステューディは「単純に、ようやくその時がきた、と言いたいです」とスピーチ。これまでの歩みについて、厳しくも素晴らしいものだったと振り返り、「先住民のネイティブアメリカンとして初めて、アカデミー賞を受賞したことを本当に誇りに思います」と語った。

今回最年長の受賞者は91歳になるイタリアの監督、リナ・ウェルトミューラー。1976年『セブン・ビューティーズ』でアカデミー賞史上初めて、女性で監督賞候補となった人物だ。その後にノミネートされたのは初の受賞者となったキャスリン・ビグローを入れて4人のみ。そのうちのジェーン・カンピオン(『ピアノ・レッスン』)、グレタ・ガーウィグ(『レディ・バード』)がプレゼンターを務めた。また、ウェルトミューラー監督の『愛の彷徨』(未/78)に主演したソフィア・ローレンも登壇し、ウェルトミューラー監督との仕事について「40年とちょっと前になりますが、まるで昨日のことのようです。情熱的で、遊び心があり、誠実で、輝いています」と語った。彼女の言葉を通訳したロッセリーニは「彼女(監督)はオスカーを女性名に変えたいと言っています。この像を“アンナ”と呼びたいそうです」と言うと、場内の女性たちは「私たちはアンナ、女性版オスカーを望む(We want Anna, a female Oscar)!」と歓声をあげた。

会場にはジェニファー・ロペス、アダム・ドライヴァー、ロバート・パティンソン、ジョン・ハム、オリヴィア・ワイルド、コンスタンス・ウー、韓国のポン・ジュノ監督などが多くの映画人が集まり、受賞者たちを祝福した。