映画『ひとよ』公開記念舞台挨拶が11月9日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、主演の佐藤健をはじめ、鈴木亮平、松岡茉優、MEGUMI、佐々木蔵之介、白石和彌監督が登壇した。
15年前のある夜、稲村タクシーの営業所で両親の帰りを待つ三兄妹の大樹、雄二、園子。帰ってきたのは母一人。そして「お母さん、さっき……おとうさんを殺しました」と衝撃の言葉を口にする……。劇団KAKUTAの舞台を、白石和彌監督で映画化した本作は、子どもたちのために父親を殺害してしまった母と、子どもたちの複雑な感情が綴られたヒューマンストーリーに仕上がっている。
昨日から映画が公開された本作だが、白石監督が「メールなどでさまざまな感想をいただいています」と明かすと、佐藤も「僕自身は映画を見たあと、寂しくなる映画が好きなんです。映画に出てくるキャラクターが好きになりすぎて、映画が終わるとお別れしなくてはならなくなることが寂しくて……。この映画も『この家族の進む先が見たい』などという感想をいただいています」と満足そうな表情を浮かべる。
この日は上映後の舞台挨拶ということで、劇中で印象に残るシーンのトークも展開。佐藤は松岡の「もっと吐くよ」という酔っ払ったシーンで放ったセリフを絶賛すると、白石監督は「あれはアドリブだったんです」と解説。佐藤が「さすが、松岡さんですね」と感嘆するシーンも見られた。
また、ラスト付近に訪れるカークラッシュのシーンの話題になると、白石監督は「この映画は企画してから4年くらいが経っているのですが、最後までなかったシーン」と明かすと「家族がどうなっていくかを考えたとき、お互いぶつかり合わなければ前に進めないと思った。その象徴がカークラッシュのシーンなんです」と説明した。
作品のテーマにちなんで「それぞれにとって家族とは」というトークも展開。長男役の鈴木が「切りたくても切れない最も濃い人間関係」と語ると、末っ子役の松岡は「学校でも社会でも他人と向き合うときは戦わなければいけないときもある。そんなとき足場となってずっと踏ん張らせてくれる存在」と定義づける。次男役の佐藤は「大切な存在であることは揺るぎませんが、今30歳の僕からすると、家族はこれから築いていく立場。その意味で、未知の存在であり憧れです」と語っていた。
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