女優の芦田愛菜が、5年ぶりに主演をつとめる実写映画『星の子』の製作が決定。原作の同名小説の主人公・ちひろも、演じる芦田と同じ中学3年生という運命的なキャスティングが実現した。
芦田は5歳で出演したテレビドラマ『Mother』で脚光を浴び、『マルモのおきて』で連続ドラマ初主演。映画『ゴースト もういちど抱きしめたい』(10年)で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞、『うさぎドロップ』(11年)、『阪急電車 片道15分の奇跡』(11年)で第54回ブルーリボン賞新人賞を最年少で受賞するほか多数の賞を受賞。『パシフィック・リム』(13年)でハリウッド・デビューを果たし、近年ではNHK連続テレビ小説『まんぷく』で史上最年少での「語り」担当、アニメ映画『海獣の子供』(19年)の主演声優、ハリウッド大作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19年)の吹替キャスト、さらには天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」での堂々たる祝辞など、幅広いフィールドで活躍を見せている。
そんな芦田が『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(14年)以来、5年ぶりに実写映画『星の子』に主演する。本作で芦田が演じるのは、自身と同年齢の、中学3年生の主人公・ちひろ。父と母からの愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その大好きな両親は、生まれたばかりのちひろが患っていた病気を奇跡的に治してしまった「あやしい宗教」を深く信じてしまっている。成長し思春期を迎えたちひろは、生まれて初めて、両親と暮らす自分の世界を疑い始めるようになる。
原作は今村夏子の同名小説。今村は鮮烈のデビュー作「こちらあみ子」で第24回三島由紀夫賞受賞、本作「星の子」で2度目の芥川賞候補となり、第39回野間文芸新人賞受賞、2018年度本屋大賞では7位に選ばれた。そして最新作「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を見事受賞。今村の原作が映像化されるのは本作が初となる。監督・脚本は、『さよなら渓谷』(13年)が海外でも高い評価を獲得し、樹木希林の遺作の1本となった『日日是好日』(18年)で報知映画賞の最優秀監督賞を受賞した大森立嗣。
読書家としても有名な芦田は「原作を読ませて頂いて、信じるという事について深く考えました。<中略>誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも迷わず信じ続けることはとても難しい。そう感じました」と原作の感想を述べ、「私が演じさせて頂くちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、悩みながら素直に物事をうけとめて真っ直ぐに生きている女の子だと思います。これからちひろをどんな風に演じていくか、そしてこの映画の中で?信じる″という事は何なのか? ちひろと共に探していきたいと思います」とコメントを寄せた。
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