史上最年少でベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子の最新作
河合優実を主演に迎え、第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本を務める映画『ナミビアの砂漠』。本作より本予告映像を紹介する。
・【動画】河合優実、彼氏は2人。いじわるで嘘つきで暴力的な魅力満載/映画『ナミビアの砂漠』予告編
19歳という若さで『あみこ』(17年)を発表し、史上最年少でベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子監督。主演は、その『あみこ』に衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行った河合優実。才能あふれる2人の夢のタッグが実現した本作は、今年のカンヌ国際映画祭でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞。2024年香港国際映画祭<夏季>の正式出品も決定している。
世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか?
今回紹介する本予告映像では、河合演じる主人公カナの一挙手一投足に目が釘付けとなるシーンが盛りだくさんだ。楽しそうに街中を走ったり、同棲している彼氏ホンダ(寛一郎)の前で「甘いのとしょっぱいの嬉しい」と微笑む姿や、新しい彼氏ハヤシ(金子大地)とのデートで幸せそうな様子が切り取られており、カナは身近にいそうな21歳の女の子として描かれる。
前半とは打って後半の映像では、カナは「わたし働かなくていいかなぁ」と暗い表情でつぶやき、襲い掛かるように誰かを足で踏みつけたり、土下座する男から走り去ったり、取っ組み合いのケンカをしたりと感情剥き出しの言動が続く。カナが「わたしおかしいかなぁ」とつぶやく静かな声は、どこか不安定な雰囲気をまとっている。いじわるで、嘘つきで、暴力的。それでも観客を夢中にさせるような中毒的な魅力を持ったカナというキャラクターを、河合が見事に演じきっている。
また、場面カットでは、カナが男の手を握っている場面が切り取られている。鼻から垂れた鼻血が目を惹く、強烈な1枚だ。心ここにあらずという感じのカナの表情が、異彩を放つキャラクターを物語っている。
『ナミビアの砂漠』は9月6日より全国公開。
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