19年は定額制ネット動画配信サービスの競争が激しさを増した。各社は差別化を図るためオリジナル作品の製作に注力している。
Amazonプライム・ビデオは松本人志プレゼンツによる密室笑わせ合いサバイバル番組『ドキュメンタル』(シーズン7まで配信)や、リアル婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』(シーズン3まで配信)、Huluは日本テレビのグループ会社である強みを生かし、日テレのドラマ『あなたの番です』『ブラック校則』『同期のサクラ』などに関連したHuluオリジナルストーリーを配信している。またHuluでは日本テレビがラグビーワールドカップを放送したことから、日本戦を含む7試合でマルチアングル配信を行った。
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そして、19年に注目を集めたのがネットフリックスだ。15年の日本上陸以来、会員数を明かしてこなかった同社だが、 19年9月、プロダクト最高責任者のグレッグ・ピーターズ氏が「日本市場で約300万人の有料会員がいる」と明かしたのだ。ちなみに、11年にスタートしたHuluが202万件(19年3月時点)と発表されており、ネットフリックスに勢いがありそう(会員数では通販をお得に使える年額会員サービスであるAmazonプライムが大きく上回りそうだが)。
ネットフリックスのオリジナル作品といえば、今年のアカデミー賞で監督賞を受賞した『ROMA/ローマ』、来年のアカデミー賞で話題になりそうなマーティン・スコセッシ監督作『アイリッシュマン』など洋画が多いが、日本発のアニメやドラマも充実。中でも話題を集めたのがAV監督・村西とおる氏の半生をモチーフにしたドラマ『全裸監督』。同社によると、これまで日本製作のオリジナル作品としては、最も視聴された作品になったという。このヒットを受けてシーズン2の製作が決まっている。
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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