直木賞を受賞した短編集「花まんま」が映画化決定
鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演する前田哲監督最新作『花まんま』が、2025年春に全国公開されることが決定。本作より、兄妹それぞれの表情と物語のキーアイテム「花まんま」を切り取ったファーストビジュアルを紹介する。
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2005年、第133回直木賞を受賞した短編集「花まんま」。ある兄妹の不思議な体験を描いた物語で、表題の「花まんま」とは、子どものままごと遊びで作った“花のお弁当”を意味し、大切なひとへ贈り届けるキーアイテムとなる。記憶の濃淡を丁寧に語り分けながら、人間の哀しさや温かさを繊細に織り込む巧みな筆致で評価されている作家・朱川湊人の代表作品であり、初版からおよそ20年の時を経て2025年春に東映配給の劇場映画として全国公開されることとなった。
大阪の下町で暮らす2人きりの兄妹。兄・俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子の〈秘密〉が今になって蘇り…。
早くに亡くした両親との約束を守るため、たった一人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・加藤俊樹役で主演を務めるのは、『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』(23年)の大ヒットも記憶に新しく、国内外の数々の映画賞を受賞した『エゴイスト』(23年)やNetflix映画として世界配信され話題を呼んだ『シティーハンター』(24年)などで国際的にも評価される鈴木亮平。
鈴木は本作について「兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品」と話しており、演じた俊樹という役については、「ぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間」と評している。
また、「関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした」と自身に馴染みある言葉による表現にも期待が高まるコメントを寄せた。
俊樹の妹で、間もなくの結婚を控えながら、ある〈秘密〉を抱えるフミ子役には、“国民的”とも評される俳優・有村架純。『ストロボ・エッジ』(15年)や『映画 ビリギャル』(15年)といった主演作をはじめ、『花束みたいな恋をした』(21年)や『月の満ち欠け』(22年)など大ヒット作品への出演で常に話題の中心を担う。
本作について「ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて」と話す有村が演じるのは、奇妙な記憶と〈秘密〉を抱えた妹の役。劇中では兄・俊樹(鈴木)のことを「兄やん(にいやん)」と呼ぶが、初共演となる鈴木との現場について「兄やんとの日々はとても不思議でした。生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました」と振り返る。
ともに関西出身ということもあり、舞台設定地域である関西圏の軽妙な台詞回しはもちろん、撮影現場でのちょっとした打合せや休憩時間においても自然体で会話する場面が多く見受けられ、日本を代表する2大キャストがどんな兄妹を演じているのか期待が高まる。
監督は、最新作『九十歳。何がめでたい』が現在大ヒット中でもあり、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18年)『そして、バトンは渡された』(21年)など、人の心の揺れ動きに対する繊細かつ真摯な眼差しと豊かな表現力にも定評のある前田哲。原作の映像化企画を長年出版社へ提案し続け、ラブコールが実を結んだ形となる。
「ずっと心から離れない『大切な愛しい人を思い続ける』切なくも優しい物語を、映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました」と自身の思いを表すとともに、「初顔合わせの2人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数10年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています」とキャスト陣の仕上がりにも自信を見せた。
原作の朱川湊人も今回の映画化に際して「原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです」とした上で、「存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です」と高揚感を表した。
今回紹介するのは、鈴木・有村が演じる兄妹それぞれの表情とともに、子どものままごとで作った“花のお弁当”を意味するタイトルアイテム「花まんま」を写し出したファーストビジュアル。兄・俊樹、妹・フミ子の朗らかな表情と、「花まんま」を包む小さな手がまるでプレゼントを渡しているかのような印象的なショットが切り取られている。春風のような温もりとともに、大切な人へ贈り届ける想いの交差を感じ取ることができるだろう。
■鈴木亮平/加藤俊樹役
本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。
演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています。
■有村架純/加藤フミ子役
ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。兄やんとの日々はとても不思議でした。生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います。
■前田哲監督
小説「花まんま」に出会ってから15年余りの年月が経ちます。ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。初顔合わせの2人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数10年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています。撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。しばし完成まで、楽しみにお待ちください。
■朱川湊人/原作
私が書いた「花まんま」は80枚ほどの短編で、もともとは子どもである俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった「花まんま」です。
『花まんま』は2025年春に全国公開。
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