(#1/Netflixのすごすぎる実力! 音も映像も高品位で賞レースがらみの秀作がズラリ)
【音も映像も内容も! 進化する動画配信サービス/#2】
全作品オリジナルコンテンツ
アップル初の定額制映像ストリーミングサービス
そんな動画配信サービスのオリジナルコンテンツ重視および高画質化&高音質化の流れをさらに勢いづける存在になると目されているのが、2019年11月にアップルが提供を開始した動画配信サービス「Apple TV+」だ。これまでiTunes Storeでレンタル&ダウンロード事業を中心に展開してきたアップルにとって、Apple TV+は初の定額制映像ストリーミングサービスとなる(月額税込600円、年払いで6000円)。アップル提供のサービスということで、iPhoneやiPad、Mac、Apple TVなどのユーザーでないと視聴できないような印象を持ってしまうが、入会すれば他社のアプリ内蔵テレビやWindows PCのブラウザーなどでも簡単に見ることができる(初回加入時には7日間無料)。
Apple TV+の最大の特徴は、全作品がオリジナルコンテンツである上に、多くの作品で4K/Dolby Vision(ドルビービジョン)/Dolby Atmos(ドルビーアトモス)といったハイクォリティな仕様が採用されているところ。12月のサービス開始時点で9作品がラインナップされたが、全作品が4K、9作中8作品がドルビービジョン、5作品がドルビーアトモス仕様となっている。
前回のコラムでは「Dolby Cinema(ドルビーシネマ)」や「IMAX(アイマックス)」といった高画質&高音質シアターの動向をお届けしたが、以上のように自宅で鑑賞するための動画配信サービスのクォリティも着々と底上げされているし、オーディオ&ビジュアル機器の4K/ドルビービジョン/ドルビーアトモス対応も進んでいる。映画館と家庭の両輪で進化してきた映画再生は、2020年にひとつのピークを迎えようとしている。(文:伊藤隆剛/音楽&映画ライター)
伊藤 隆剛(いとう りゅうごう)
出版社、広告制作会社を経て、2013年に独立。音楽、映画、オーディオ、デジタルガジェットの話題を中心に、専門誌やオンラインメディアに多数寄稿。取材と構成を担当した澤野由明『澤野工房物語〜下駄屋が始めたジャズ・レーベル、大阪・新世界から世界へ』(DU BOOKS刊)が刊行されたばかり。
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