忖度だらけの現状への反動が人気の理由?『同期のサクラ』が連続月間王者に

#Hulu#同期のサクラ#高畑充希

『同期のサクラ』Huluで配信中
(C)NTV
『同期のサクラ』Huluで配信中
(C)NTV

新しい年を迎えてからの楽しみのひとつといえば、1月からスタートする新ドラマ。第1回目の放送に向けて、チェックをしている人も多いだろう。そこで、2019年12月のHulu月間ランキングを振り返り、現在どのような作品が人気を集めている傾向にあるのかに注目していきたい。

『アナ雪2』『スター・ウォーズ』が2020年正月映画制す。邦画は低調

昨年も『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』、『あなたの番です』、『きのう何食べた?』、『グランメゾン東京』など、いくつものヒットドラマが誕生したが、なかでも2019年の下半期に人気を博したドラマといえるのが『同期のサクラ』。2ヵ月連続で月間王者に輝いただけでなく、最終回には番組最高視聴率となる13.7%を記録し、有終の美を飾った。

今回、高畑充希演じる主人公のサクラは、忖度が一切できないキャラクターとして描かれているが、それこそが視聴者たちの心を掴んだ理由のひとつ。もともと、「忖度」という言葉は政治の世界から広まり、いまでは一般社会でもよく使われるようになったが、これほどまでに浸透した背景には、多くの社会人が日常のなかでいかに「忖度」に縛られた生活を強いられているかということが挙げられるだろう。

それだけに、普段なかなか言うことのできない自分の気持ちを代弁してくれるサクラに共感し、なおかつ自身の抱えるストレスを発散しているのかもしれない。同時期放映の人気ドラマ『ドクターX 〜外科医 大門未知子〜』でも忖度しない主人公が人気だが、現代の風潮や反動がそういったキャラクターが生み出しているとも言えるだろう。それだけに、2020年もこの傾向が続いていくのか、それとも新たな時代に向けて支持される人物像にも変化が訪れるのかに注目が高まるところだ。

そのほか、2位には賀来賢人をはじめ、井浦新や工藤阿須加といった人気俳優たちの熱演が話題となった『ニッポンノワール −刑事Yの反乱−』。そして、3位には人気アニメ『鬼滅の刃』が先月の7位から大きく順位を上げてランクインを果たしている。1月には大きな変動も予想されるだけに、どの作品が生き残れるのか、ますます目が離せない。(文:志村昌美/ライター)

【Hulu 12月の月間ランキング/TVシリーズ】
1位『同期のサクラ』
2位『ニッポンノワール −刑事Yの反乱−』
3位『鬼滅の刃』
4位『僕のヒーローアカデミア』
5位『俺の話は長い』
6位『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないシリーズ』
7位『あなたの番です』
8位『チート 〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』
9位『ウォーキング・デッド』
10位『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』

INTERVIEW