ペリーが亡くなる数週間前から5万ドル以上の“ケタミン”を提供
昨年10月、TVシリーズ「フレンズ」で知られる俳優のマシュー・ペリーが薬物関連で亡くなった事件について、医師2人とペリーの個人アシスタントら5人が起訴されたことが明らかになった。
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ロサンゼルス警察は15日(現地時間)、5月から始まった捜査により、大量のケタミンを流通させていた薬物供給者の「広範な地下犯罪ネットワーク」が明らかになったと発表した。
昨年10月28日(現地時間)、当時54歳だったペリーがロサンゼルスの自宅で死亡しているのを個人アシスタントが発見した。検視の結果、血中に高濃度のケタミンが検出され、薬物の「急性作用」によって死亡したと判断された。
ケタミンは強力な麻酔薬で、鎮痛剤として以外にもうつ治療薬としても用いられている。ペリーに近しい人々は検視官の調査に、彼がケタミン点滴療法を受けていたことを話していたが、生前最後に受けた治療は亡くなる1週間以上前だった。
監察医によると、ペリーの体内のケタミン濃度は全身麻酔時に投与されるのと同レベルの高いものだった。ケタミンの半減期は短いため、死亡時の彼の体内にあったケタミンは点滴療法によるものではなかったという。
連邦裁判所に提出された起訴状では、ペリーのアシスタントだったケネス・イワマサが医師2人と協力してペリーが亡くなる数週間前から5万ドル以上のケタミンを提供したという。
ペリーはかつて、アルコールや鎮痛剤のオピオイドの依存症になったこともあり、今回訴追された5人はその過去を知っていて、ペリーから利益を得ようとしたと当局は主張している。
医師の1人、サルバドール・プラセンシアは関係者のメールのやり取りの中で「このバカはいくら払うんだ」と書いていたという。プラセンシアは「通常の専門業務外で、正当な医療目的なしに」ペリーにケタミンを提供し、イワマサに適切な安全処置や監視なしにペリーへのケタミン注射の方法を教えたとされている。
検察は、イワマサはペリーが亡くなる直前の4日間、少なくとも27回ケタミンを注射したと主張している。
プラセンシアは昨年10月初旬に、ケタミンの大量投与によってペリーが「硬直(freeze up)」してしまったことから、大量投与をしないよう忠告しながらも薬物の瓶数本を置いていったと言う。
司法省によれば、被告人のうちイワマサと薬物提供を手伝ったエリック・フレミングマーク・チャベス医師はすでに薬物に関する容疑を認めているが、医師に薬物を提供していた「ケタミン・クイーン」の異名を持つジャスヴィーン・サンガとプラセンシアは15日(現地時間)にロサンゼルスの裁判所に出廷して無罪を主張した。
起訴状によると、サンガはペリーの死後、自分たちの行為を隠蔽しようと「私たちのメッセージを全て削除して」と別の容疑者にメールを送り、プラセンシアは医療記録を改竄したとされている。
マーティン・エストラーダ連邦検事は「被告らはペリー氏の中毒の問題を利用し、富を得ようとしました」「彼らは自分たちのしていることがペリー氏に多大な危険を及ぼすことを承知しながら、それを行ったのです」と述べた。
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