チェ・ジウが映画PRのため来日するのは実に18年ぶり
チェ・ジウ7年ぶりのスクリーン復帰作となり、共演にミンホ(SHINee)、P.O(Block B)ら豪華キャストを迎えた韓国映画『ニューノーマル』。本作の公開を記念し、主演のチェ・ジウとチョン・ボムシク監督が緊急来日し、初日記念プレミアムイベントが実施された。チェ・ジウは映画関連での来日プロモーションは、『連理の枝』(06年)以来18年ぶりとなる。
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チェ・ジウが映画のプロモーションのために来日し、舞台挨拶に登壇するのは『連理の枝』以来、実に18年ぶり。チェ・ジウはそう指摘されると、「そんなに時間が経っているとは気づきませんでした…。以前、ドラマ『輪舞曲』という作品で公式にご挨拶をさせていただき、そこから久々にまたこうしてご挨拶をさせていただいていますが、本当にみなさんにお会いしたかったです。こうやって新しい作品を携えて、またみなさんの前に立てて嬉しく思っています」と語った。
18年もの月日が流れても「チェ・ジウさんの美しさは変わりませんね」という司会者からの言葉に、会場からは拍手が。チェ・ジウは再び日本語で「ほんとですか? ありがとうございます」と満面の笑みを浮かべた。
チョン・ボムシク監督にとっては、日本での舞台挨拶はこれが初めて。前作『コンジアム』(18年)は本国韓国はもちろん、日本でも話題を呼んだが、韓国スリラーの鬼才は日本のファンを前に「すごく緊張しています…」と恥ずかしそうに語り、その様子を隣で見ていたチェ・ジウさんが思わず笑みをこぼす一幕も…。
チョン・ボムシク監督は本作について「超自然現象や幽霊の恐怖ではなく、人間の恐怖を描いた作品です。社会的背景という点でも、日本と韓国は似ているところがあると思うので日本の観客のみなさんの反応が気になります。チェ・ジウさんを含め、6人の主役がいますが、どの方も日本のみなさんが大好きな俳優です。特にチェ・ジウさんの演技における“変身”ぶりを日本のみなさんがどう受けとめてくださるのか? 期待しています」と思いを語った。
ポスターや予告編からだけでも、映画の中のチェ・ジウの雰囲気がこれまでのイメージを覆すものだということが伝わってくるが、チェ・ジウはなぜ復帰作としてこの作品を選んだのか? 「まず脚本を読んですごく面白かったんです。ただ怖いだけでなく、ウィットに富んでいて、笑いのツボもたくさんあり、奇抜な作品だなと思って読みました。とはいえ、この役を私が果たして演じられるのか?という心配はありました。私にとって全く新しいタイプの役だったので、最初に監督には『自信がないです』とお伝えしました。でも監督の前作を見ており、韓国でたくさんの人に愛された作品だったので、その監督を100%信じて挑戦してみようと思いました」と明かした。
チョン・ボムシク監督はこの意外なキャスティングについて、「誰が見ても『予想を裏切られた!』と感じてもらえるようにしたくて、当然ですがそのためには演技力も美貌も必要です。では、誰が演じたら『予想を裏切られた!』という言葉を聞けるかと考えて、チェ・ジウさんにお願いしました。ご本人も『これを私がやるんですか?』とおっしゃっていて、それを聞いて『いける!』と思いました。出来上がった作品を見たら、予想以上に素晴らしい演技で感謝しています」と自信をのぞかせる。
チェ・ジウ以外にもイ・ユミ、チェ・ミンホ(SHINee)、ピョ・ジフン(Block B)、ハ・ダイン、チョン・ドンウォンらがキャスティングされており、こちらも従来のイメージを崩すような役柄と言える。これに関しても監督は「3つほど条件がありました。『キャラクターに似合った俳優であること』『彼らが以前にやったことのないタイプの役であるということ』、そして『6人を見た時に、“この組み合わせは何なんだ? すごく新鮮だ”と思ってもらえること』です。この3つの条件に合う俳優さんを考えて、連絡したところみなさんに『出ます』と言っていただけました」と明かした。
また、日常の裏に潜む恐怖を描いたスリラーである本作にちなんで、最近、日常でゾッとした体験を尋ねると、チェ・ジウは「ニュースを見ると、信じられないような事件や怖ろしい事件が起きていて、ニュースを避けたい気持ちになってしまいます。実際にこんな怖いことは起きてほしくないですし、自分自身も経験したくないし、ここにいるみなさんの身にも怒らないことを願っています」と語る。
一方、チョン・ボムシク監督は映画の中で登場するニュースについて、「実際に韓国で起こった事件を基にしています」と明かし、「いまは、人と人の間に様々な犯罪が起きる時代です。以前は人と人の間には安全な“壁”があると信じていましたが、この映画を見ると、その壁は壊れてしまったと感じるかもしれません。いまは、安全ではない時代——これが“ニューノーマル”なのかもしれません。この映画は最近、私が感じた怖いことをモチーフにつくった作品です」と語り、鑑賞前の観客の恐怖をさらに煽り立てる。
この日は、Xに寄せられたファンからの質問にも2人が答えてくれた。本作のヒョンジョンという女性を演じる上で、何を参考にどう役作りしたのか?という質問に、チェ・ジウは「監督は1931年の古典映画『M』という作品を薦めてくださいました。その映画を見て、監督がヒョンジュンをどうつくりたいと考えているかを理解することができました。映画の中に詳しい説明はないんですが、監督と一緒に考えながら役作りをしていきました」と明かした。
一方、チョン・ボムシク監督には「女優、そしてひとりの人間としてチェ・ジウさんはどんな人でどんな魅力をもっているか?」という質問が。監督は「チェ・ジウと言えば、成熟した素晴らしい俳優ですが、いまでも常に新しい面を見せてくれる、どこまでも可能性のある女優さんだと思います。人間性という点に関しても、トップ女優ですからオーラもカリスマ性も持ち合わせていますが、現場や日常では、すごく気さくな方です。チェ・ジウさんが現場にいると、私が何も言わなくても、スタッフは自ら動いてくれて、撮影がうまく進むんです。だから大変な撮影がある日は冗談で『今日はチェ・ジウさんは来ないのかなぁ…』と言ってました(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれた。
最後にチェ・ジウは満員の観客を前に「今日はみなさんにお会いできて嬉しかったです。これからはもっと頻繁にお会いできるチャンスが増えたらと願っています。映画は、怖くてゾクっとするようなシーンもありますが、楽しめるシーンも多いので、みなさん楽しみながらご覧ください。ありがとうございました」と語りかけ、会場は再び温かい拍手と歓声に包まれた。
『ニューノーマル』は現在公開中。
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