人妻のエロさに騒然、元美少女子役が主演の人気作! キスをしながら獣のように…
ダイアン・レインが不倫に溺れる妻を演じた『運命の女』
美少女子役として一世風靡した後も大人の女優として成功し、現在も話題作に出演し続けているダイアン・レイン。今回は、そんな彼女が過去に出演した官能サスペンス『運命の女』(2002年)を取り上げたい。
・美少女スターとして名を馳せたダイアン・レイン、数多の恋と作品を経た59歳の今
愛する夫エドワード(リチャード・ギア)や8歳の息子と郊外で幸せな生活を送っていた人妻が、息子の誕生日プレゼントを買いに出向いたNYで年下イケメンと運命的な出会いを果たし、道ならぬ恋の沼にズブズブとハマっていく不倫モノだ。
官能映画の名作『ナインハーフ』の監督作品
当時ダイアンは40歳手前。全編を通してあまり化粧っ気はないのだが、ピチピチして可愛いだけの若い娘にはない大人の色香が漂う。本作で描かれるのは、心のつながりというより本能的な衝動に突き動かされて突っ走るタイプの激しい性愛。そんな愛に溺れる人妻の情事のエロさを、女性目線で紐解いてみたい。監督があの『ナインハーフ』のエイドリアン・ラインということで、自然と期待値も高まる。
全編を通してカメラワークなども小洒落ていて大変良くできているものの、どうも二人の出会いの場面だけはいただけない。二人は強風の日に出会うのだが、街中のゴミが舞い上がるほどの大げさな強風の描写には「作られた感」が否めない。そんな強風の中、本を山ほど抱えたイケメンとダイアン演じるコニーが出合い頭にぶつかって互いの荷物が道に散乱する。ん? これじゃまるで、「遅刻、遅刻!」とトーストをくわえて家を飛び出し、曲がり角で誰かとぶつかる昭和のアレみたいにチープでベタではないか。
セクシーな年下男が確信犯的な“傷の手当”
それはさておき、転んで膝を擦りむいてしまったコニーに対し、イケメンのポールは、「すぐ目の前が自分のアパートだからバンドエイドを持ってくる」と気遣う。そこまでなら「親切にどうもありがとう」で終わったはずが、「部屋に来て消毒したら?」と持ち掛けた時点でパンドラの箱が開いてしまった。年下男のポールを演じるのは、フランス人俳優で後にハル・ベリーの旦那→元旦那となるオリヴィエ・マルティネス。ポールには少年の無邪気さと男の色気が同居した不思議な魅力があり、部屋に誘われてコニーも悪い気はしない。部屋に行くことに同意した時点で、下心を養分にムクムクと成長する邪淫の種が地にこぼれ落ちたのだ。
ベビーシッターと息子に「帰宅が遅れる」と電話をしているコニーの膝に不意に氷を押し付けて、傷を冷やすポール。ドキッとするコニーの手を取って氷にあてがうエロいやり取りも、確信犯としか思えない。この日は、本の売買をしているポールがコニーに1冊の詩集をプレゼントして二人は別れたが、種が撒かれた以上芽が出るのは時間の問題だ。
自制心が働くものの欲望は止まらない
帰宅したコニーがポールからもらった本を開くと、ポールの電話番号が書かれたカードがハラリと落ちる。後日、郊外の自宅から電車でポールの住むNYへ赴くコニー。グランドセントラル駅からカードに書かれた番号に電話をして「お礼の品を送りたいから住所を教えて」というコニーに、ポールは「コーヒーを淹れるから今から来いよ」と持ち掛ける。部屋を訪れたものの、この日は「長居をしたら何かが起こりかねない」という人妻としての自制心が働き、訪問早々アパートを引き上げた。だが、走り出した気持ちは止まらない。二人には、出会った時から“あの引力”が強力に働いているのだから。
後日ポールの部屋を訪れたコニーは、頭ではダメとわかっていながらついにポールと結ばれる。自ら望んでベッドに押し倒され、腹部や太ももを愛撫されてその気になりつつも、「やっぱりダメ」「いけない事だもの」とポールを拒もうと試みる。「だったら俺をひっぱたけ」というポールに言われるまま彼の頬を2回3回と平手打ちしたものの、遂に欲望に屈して激しく唇をむさぼりながら身体を重ねるのであった。
ママ友が一緒のカフェでも我慢できずに・・・
その日からコニーはポールに夢中で、何かと口実を付けて昼間に家を抜け出してはポールのアパートで情事を重ねていく。だが、ある日ポールのアパートに向かう道すがら2人のママ友につかまり、アパートと目と鼻の先のカフェで足止めを食らう羽目に。すぐさまポールに電話してそれを伝えると、ポールは早速カフェにやってきてコニーに目配せをしてトイレに向かった。後を追うようにコニーもトイレに向かう。二人は「もう我慢できない」とばかりにキスをしながら獣のように絡み合い、トイレになだれ込んで激しいファックを繰り広げる。立位のまま壁に押し付けられ、下から激しく突かれて喘ぐコニー。トイレ個室の上部からは、そんなコニーの頭部が丸見えだ。もしここにママ友が入って来たら、自分の世間体も子供の立場も全てが崩壊しかねない危険な行為である。
欲望の赴くままに突っ走った道ならぬ恋の代償はあまりに大きかった。一時の快楽がもたらした大きな悲劇とは一体いかなるものか。
ダイアンは、本作で第37回全米映画批評家協会賞主演女優賞を受賞し、第75回アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされている。ストーリー展開や俳優陣の演技も非常に見応えのある作品なので、気になる方はぜひ本編を視聴していただきたい。(文:春蘭/ライター)
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