1月公開作の1位は『カイジ ファイナルゲーム』。人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化したシリーズの3作目だ。原作者・福本伸行がオリジナルストーリーを考案し、共同で脚本も手がけた。1作目は興収22.5億円、2作目は16.1億円を記録。9年ぶりとなる本作は公開後17日間で14.1億円。前作超えは確実で、期待通りの興行成績となった。藤原竜也や福士蒼汰らキャストは、製作元・日本テレビの『笑点』『おしゃれイズム』『ZIP!』『スッキリ』などバラエティ番組や情報番組に出演してPRに務めた。
2位は『パラサイト 半地下の家族』。昨年12月27日からTOHOシネマズ日比谷、梅田の2館で特別先行公開され、日比谷では最大の座席数を誇るスクリーン1(459席)が満席続出となる好スタート。同じ27日にはTOHOシネマズ六本木ヒルズでポン・ジュノ監督とソン・ガンホが登壇したプレミア上映が実施され、最大の座席数を誇るスクリーン7(533席)が発売日に即日完売。年末に口コミで評判が広がった。1月10日から全国で公開され、TOHOシネマズのチェーンを中心に136スクリーンと絞った興行を実施し、25日の週末には168スクリーンに拡大。公開後17日間で興収9.7億円を記録している。1月13日に発表されたアカデミー賞ノミネートで作品賞、監督賞など6部門候補となり、勢いがついた。特にTOHOシネマズのチェーンは絶好調で、18〜19日の週末はTOHOの動員ランキング1位(全国総合では5位)、25〜26日も1位(全国総合4位)を記録している。日本時間2月10日に発表されるアカデミー賞の結果次第ではさらに興収を伸ばしそうだ。
なお、ミュージカル映画の期待作『キャッツ』は1月24日から公開され初日3日間で3.5億円を記録。『アナと雪の女王2』は128億円、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は68億円をあげている(1月26日時点)。(文:相良智弘/フリーライター)
[1月公開作ランキング]
1位『カイジ ファイナルゲーム』14.1億円
2位『パラサイト 半地下の家族』9.7億円
3位『フォードvsフェラーリ』7.3億円
(1月26時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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