アカデミー賞オリジナル脚本賞候補! ダニエル・クレイグら豪華スターが嬉々として出演のミステリー
#映画#週末シネマ#アナ・デ・アルマス#クリス・エヴァンス#クリストファー・プラマー#ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館#ライアン・ジョンソン
【週末シネマ】『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館』
アガサ・クリスティーが現代によみがえったら…
それぞれの事情と思惑を抱えた一癖も二癖もある人々がそろった場所で事件が起き、名探偵登場。『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館』はアガサ・クリスティーのテイストで現代を舞台にしたミステリーだ。
大御所ミステリー作家のハーラン・スロンビーが85歳の誕生日の翌朝、自宅の屋敷で遺体となって発見される。突然の死に殺人の疑惑が浮上、誕生祝いに集まった家族全員に犯行の疑いがかけられ、匿名の人物から依頼を受けた探偵のブノワ・ブランが屋敷を訪れる。作家の長女夫妻と息子、すでに故人の長男の未亡人と娘、次男夫妻と息子、作家の年老いた母、そして作家の専属看護師の女性に話を聞き、ブランは捜査を進めていく。莫大な遺産の相続をめぐって誰もが怪しく、新しい証言が出るたびに二転三転し、徐々に真相へと迫る展開はスリルに満ち、ユーモアの効いた洒脱なスタイル。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督が、もともと大ファンだったミステリーの女王、アガサ・クリスティーに捧げるスタイルで、オリジナル脚本を手がけて監督。第92回アカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートされている。
時代がかった古い豪邸に集うのは不動産業界の大物である長女(カーティス)、父の出版社のCEOを務める次男(シャノン)、長男の未亡人(コレット)はライフスタイルのインフルエンサー、とクリスティーが現代に蘇ったら、描くのはこんな感じの人々だろうと想像に難くない設定で、殺人の謎解きもさることながら人間関係のドラマや笑いの中に込めた風刺も見どころ。モダンな仕立てでオーソドックスなミステリーを新味で楽しめる作品だ。(文:冨永由紀/映画ライター)
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館』は1月31日より公開。
冨永由紀(とみなが・ゆき)
幼少期を東京とパリで過ごし、日本の大学卒業後はパリに留学。毎日映画を見て過ごす。帰国後、映画雑誌編集部を経てフリーに。雑誌「婦人画報」「FLIX」、Web媒体などでレビュー、インタビューを執筆。好きな映画や俳優がしょっちゅう変わる浮気性。
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