(…1「BLファンも驚き! 神作家の傑作BL映画化に感動の声」より続く)
【元ネタ比較】『囀る鳥は羽ばたかない〜』2
矛盾した関係のジレンマに読者は悶絶!
ヨネダコウ原作による人気BLコミックを劇場アニメ化した『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』が公開される。
「囀る〜」は真誠会若頭の矢代と部下の百目鬼を描き、矢代は相手構わずセックスを繰り返す被虐的な男だが、百目鬼は性的には不能だ。
そのために矢代にとっては、性の対象にされない百目鬼は心安らげる存在となっているようだ。百目鬼に癒されている矢代を見ると、彼が実は心をすり減らしているのではないかと思え、切なくなる。
矢代が百目鬼に癒しを求めていることは、勃つことのない百目鬼のそれを口で愛撫するシーンに感じられるが、エロスだけではない切なさと安堵感が伝わってきてグッとくる。矢代が自覚もしていないところがまた切ない。
普通なら不能の男を口でするなど、ともすれば滑稽に思えるシーンなのに、そこにエロスと切なさと安堵感をないまぜにした感情を沸き起こさせるなんて、ヨネダコウはさすがだなぁと思う。さらに、BLでいうところの攻めである百目鬼が性不能者とは! なんという設定なんだろう!
こんなに矛盾したジレンマで読者を悶絶させるとはヨネダコウはさすがだなぁとまたもや唸ってしまうほかない。
さて、そんな心つかまれる作品の劇場アニメがとうとう公開となる。まずはキャラクターたちが動いて喋るという当たり前のことにも感動してしまう。ちなみにBLでは定番のドラマCDにもなっているので、声優がドラマCDと同じだあるから聴き馴染んでいるファンにとっても違和感ないだろう。
ストーリーは原作とは大きく変わることがなく、むしろ忠実に描かれている。エロシーンはR18+の指定になった時点で朝チュンなどで濁らせずしっかり描かれるだろうと信頼していた。やはり矢代の人間性を表す上では重要な部分だと思うからだ。そこは裏切らないでいてくれたし、それどころか原作よりもエロく感じてしまった。当然のことながら漫画と違って動くし声もついてるのでちょっと生々しく感じたのだ。これがノイズとなって邪魔になるほどではないのでファンにとってはご褒美になるかもしれない。しかしながら、少し気になった点は……(3へ続く…)
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