石橋蓮司、18年ぶり映画主演にジョーク「撮影中は生前葬的な雰囲気」

#一度も撃ってません

石橋蓮司
石橋蓮司
石橋蓮司
前列左から阪本順治監督、佐藤浩市、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代、桃井かおり、江口洋介。後列左から前田亜季、新崎人生、井上真央、妻夫木聡、渋川清彦、小野武彦
大楠道代
岸部一徳
桃井かおり
佐藤浩市
江口洋介
妻夫木聡
井上真央
渋川清彦
前田亜季
新崎人生
小野武彦
阪本順治監督

映画『一度も撃ってません』完成報告会が3月9日に東京都内で行われ、出演者の石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、江口洋介、妻夫木聡、新崎人生、井上真央、渋川清彦、前田亜季、小野武彦、阪本順治監督が出席した。

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本作は伝説のヒットマンとして殺しの依頼を受けながらも、実はハードボイルド小説のネタ集めをしていた売れない小説家(石橋)が、思わぬ事件に巻き込まれるさまを描くハードボイルドコメディ。

18年ぶりの映画主演をつとめた石橋は、「普段通りやらせていただきました。最初はこういう作品は昔のB級作品みたいにひっそりとやってひっそりと上映して、ひっそりと評価を受けて終わるものになればいいなと思っておりました。ただ、キャスティングを見た時にとてつもない人たちがたくさん出ることになり、どうやってこの人たちを説得したのだろうと」と、当時の心境を吐露。「きっと、監督や製作が『石橋蓮司さんの遺作になるんじゃないか』と言って集めたんじゃないかと。撮影中は生前葬的な雰囲気でやらせていただきました。どうもみなさん、お世話になりました」とユーモアたっぷりに振り返って笑いを誘った。

そんな豪華メンバー出演が実現した経緯について、阪本監督は出演者の幾人かと故・原田芳雄さんの家に集まった際に話が持ち上がったと振り返り、「桃井さんが『芳雄さんの後に蓮司さんでやらないか』と仰ってくれて。『みんな出るよね?』といらっしゃった俳優さんに声をかけてくれて、僕もそれなら本気で動きますよというところから始まりました」と述懐。桃井も「原田芳雄さんの最後の映画『大鹿村騒動記』を、阪本監督が自力で撮ってくれたのは日本映画界で一番いい話だと思っています。でも、残念なのは死ぬとわかってからだったので、元気で余力があるうちに力を発揮させたいという思いがあり、その流れです。これで蓮司が死ぬと『阪本さんと撮ると死ぬ』という話になってしまうので、絶対死ねないわけです」と話し、会場は大きな笑いに。

また、石橋との共演について妻役の大楠が「いつもふざけている姿しか見たことがないですけど、たまたま奥様と一緒のところに遭遇したことがあって、すごく二枚目なんですよ」と報告。すると桃井は「かっこいいところも、どれだけ洒落ているかも共演した俳優たちはみんな知っているので、この洒落た俳優を世界に出そうとしたプロジェクトですよね。世界に出すか、日本の宝としてしまっておくか」とコメント。岸部も「僕も途中から俳優の方に入っていった人間ですから、憧れの人みたいなところがありちょっと怖いイメージをずっと持っていました。こうして親しく話せるようになったのはある映画をきっかけに最近ですね。そうしたら、意外に楽しくてリズムのいい人だと思って、基本は二枚目なんですよね」と素顔を紹介した。

実は本作では、佐藤と寛一郎の親子共演も実現。そのことにMCから触れられた佐藤は「いい意味で息子と一緒にやることのハードルを阪本さんが設定してくれたので、逆に楽しくできました。でも、やたら説明セリフが多かったので、2〜3回NGを出してしまい、息子に冷ややかな目で見られました」と苦笑い。そんな寛一郎について石橋は「今回の映画に少しリアルさが欲しいとなれば、寛一郎が俺を潰すこと以外にないと思うんです。じゃないと、あんな馬鹿が映画の中でのうのうと成立するわけはないので、寛一郎君によってこういう馬鹿な大人たちもいたなと保証される映画なので、毎回『俺を潰せ』と言っていました」と話し、「寛一郎と一緒にやれたということは、三國(連太郎)さんと浩市と3世代と共演させていただいたことになります」と目を細めていた。

『一度も撃ってません』は4月24日公開となる。
(text&photo:中村好伸)