【ついついママ目線】『映像研には手を出すな!』1/3
ラブコメ、アクション、ホラー……。どんな映画でも、ついつい“子育て”に結びつけて見てしまうママさんライターが、話題作をママ目線で取り上げます!
『月刊!スピリッツ』で連載中の人気漫画をアニメ化し、実写映画化も決定した『映像研には手を出すな!』。今年1月からNHKのアニメ放映が始ると、世間をざわつかせ、ジェンダー論が湧き上がった。
『映像研〜』は大童澄瞳原作によるコミックでアニメ制作を行う女子高生3人が描かれており、アニメ版では湯浅政明が監督を務めて彼が率いるサイエンスSARUがアニメーション制作している。
湧き上がったジェンダー論とは、「アニメ制作をする主人公たちがなぜ女の子であるのか?」というもの。女の子3人の主人公たちは、ざっくり言ってしまうと通常のアニメに登場するような可愛らしい女子ではないのだ。
金森さやかは長身の細身でロングヘアだけど美人系ではなくて、いつもメガネをおでこの上に乗せて歯を噛み合わせた“イー”の口がデフォルト。アニメの知識は乏しいがマネージメント力に長け、お金に目がない。
もう一人の水崎ツバメは美人の読モで超お金持ち、みんなから注目を集める有名人。小さい頃から物体や肉体の動きに関心を持ち、スケッチを欠かさないアニメーター志望だ。
それぞれの得意なことを生かしてアニメーション制作に夢中になる彼女たちを見て、世間では「どうしてこのキャラクターを男の子にしなかったの?」となったのだ。
確かにメカに強い子、色気のないお金好き、美人だけど物体ヲタクの3人は、通常なら男の子の方がしっくり来ると言えばそうかもしれない。ただ、「どうして男の子じゃないの?」と言われると「どうして女の子じゃいけないの?」と返したくなる気持ちもある。
それに、こういう特性の女の子が今までのアニメで登場したことがないかというと、そうではないだろう。大人気の『ガルパン』(『ガールズ&パンツァー』)なんて女の子たちが戦車を操ってるじゃないか。だけれど戦車を操りながら、非常に短いスカートとなにげに体のラインも強調されたお目々クリクリの女の子たちだ。
ジェンダー論では、『映像研〜』の浅草みどりたちがアニメ上での記号的な“女の子像”からはみ出しているから見た人が戸惑っただけという意見もあって、大いに頷けた。浅草たちは、目がくりっとしてむやみに胸が大きくて、加えてあの特有のアニメ声の“女の子”からはかけ離れているのだ(2へ続く…)。
・【ついついママ目線】『映像研には手を出すな!』2/国民的アニメに描かれる“さりげなくバイアスのかかった女性像”への不快感
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