現地時間4月13日で、イギリスで外出制限が始まってから丸3週間が経った。16日には外出制限が「少なくとも3週間」延長されることが決まり、ロンドン市民の“ロックダウン生活”はまだ続きそうだ。およそ1ヵ月も、電車にもバスにも乗らない生活なんていつ以来だろう。
・[動画]外出制限が延長されたロンドンで、普段はなかなかできない「タイダイ」を体験してみた【ロンドン通信】
食料品の買い占め、宅配サービスの需要増、経済と雇用情勢の悪化、大気汚染の改善……イギリスでもヨーロッパ諸国でも(そしておそらく日本でも)、コロナウイルス流行に伴う外出制限がもたらした変化はだいたい同じだ。筆者と同居する女性(イギリス人)は、3月下旬から「一時休職」している。彼女が勤める会社は、社員の8割にメールで休職するよう告げた。
イギリス政府の緊急経済対策では、企業が従業員を解雇せず雇用を維持した場合、休暇扱いになっている従業員の給与の8割、1人あたり月額最大2500ポンド(=約33万円、1ポンド130円換算)が政府から補助される。この大々的な措置は3月20日に発表されており、ちょうど1ヵ月後の4月20日に申請受付を開始した。個人ではなく事業主が申請する仕組みで、初日だけで14万件を超える申請があったそうだ。だから彼女もことさらに不安がる様子はなく、むしろこの時間を有効に活用している。
先日は彼女の誘いで一緒にタイダイ(絞り染めの一種)をした。白い無地のTシャツやシーツを好きな色で染め、翌朝に庭に干した時の達成感は格別で、ロンドン生活の忘れられない思い出になった。SNS上にもお菓子作りやDIYなど、普段はできないことにチャレンジする様子が投稿されている。
外出制限延長が正式に発表される直前に、イギリスのデータ収集・分析会社YouGovが約3400人を対象に行ったアンケート調査によると、91%のイギリス国民が、政府がもし制限を延長するとしても、その判断を「支持する」と答えている。「強く支持する」が67%、「多少支持する」が24%で、「多少反対する」「強く反対する」は合わせてもたった5%だった。
(Sara Suzuki/London)
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