外出自粛要請中のいま、自宅で映画やドラマを見て過ごす時間も増えた方も多いと思う。しかしながら、たくさんあり過ぎて何を見るか迷ってしまう……という方は、ちょこっとヲタクの世界を覗いてみてはいかがだろう? 新たな世界に開眼すれば、お籠り生活でも活力が湧いてくるはず。
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本日紹介したいのはコレ、『水曜どうでしょう classic』。今や邦画界になくてはならない実力派俳優となった大泉洋と、その大泉が所属する事務所の会長でありクリエイターでタレントでもある鈴井貴之が国内外を旅したり、いろんな企画に挑む北海道テレビ制作のバラエティだ。
ただ『水曜どうでしょう』だけでもたくさんありすぎて、どこから手をつけていいやらわからないかもしれない。まぁ、どれから見ても楽しいのだけど、まずはシリーズの中でも初期の「サイコロの旅シリーズ」から見て欲しい。
そこへきて、この「サイコロの旅シリーズ」はちょうどいいのだ!
コンセプトは単純、6つある選択肢の中からサイコロの目で行き先とルートを決めて旅をするというもの。でも、旅と言っても観光が目的ではない。彼らはただ行くだけ。
着いた土地で食レポするわけでもない。たまに名物を食べても、マジで1秒くらいしか写らない。ただただサイコロで出た通りの交通手段で目的地に行って、着いたその駅前でサイコロを振ってもう次の目的地へと出発するというのが基本。電車から降りたかと思うと、次にはもう慌ててフェリーに乗っていたりする。
だから見ていても全然羨ましくならないのだ! ローカル局の制作番組でとくに初期は制作費も多くなかったのであろう、やたらと豪華でないのも良い。ミスターこと鈴井のサイコロ運が悪くて、一番過酷な深夜バスの目を出し、それにブーブーと大泉が文句を言い、小突き合い冗談を言いながら移動の旅を繰り返して行く。
出口の見えない生活を余儀なくされているなか、羨ましくて悔しいという気分にならず、それでいてどこかに移動する旅気分も味わえる。
流行の物があまり出てこないので、古くささをさほど感じることもない。もちろん電車などの交通機関は古いけれど、1作目が1996年で20年以上前であるにも関わらず、興醒めするほどの古も感じないのだ。
とはいえ大泉やミスターは若いから、彼らのファンは若かりし頃の姿がたっぷりと楽しめるのもいいところ。ミスターは、改めて驚くほど若いし、大泉はまだ世間を知らない純朴な道産子という感じで初々しい。
まったりと見るのにちょうど良く、「いいなぁ、こんな旅行をして美味しいもの食べたいなぁ、それに比べて今の生活は……」と余計なことを考えずに楽しめる。彼らの理不尽な旅の愚痴を聞いているといつしかクスッと笑っているハズ。(文:入江奈々/ライター)
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