素人に長期密着して、大人が四苦八苦する姿を見届けるドキュメンタリーが減ってしまったなぁ。なんて思っていたら、ちょっと懐かしい香りのするガチドキュメント番組『笑イザップ』を見つけたのでご紹介したい。
先日、『愛の貧乏脱出大作戦』(テレビ東京)の映像を久々に見た。『浦和から持ってきて!』という、テレ東の伝説の番組を名物プロデューサーたちが振り返る特別番組で紹介されていたのだ。
『愛の貧乏脱出大作戦』の放送期間は1998年〜2002年。アラサーの筆者は当時小学生だったのだが、それでもこの番組と同時期に放送されていた『ガチンコ!』(TBS)だけは鮮明に覚えている。きっと、両方の番組に映されていた大人が歯を食いしばる姿は、子どもにとっては恐ろしいほどショッキングな内容だったのだと思う。
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懐かしの『愛の貧乏脱出大作戦』にノスタルジアを感じつつ、こういった素人の大人に長期密着する番組を最近見ないなとも思った。と、その矢先、ほぼ素人の大人が奮闘する番組を見つけた。『笑イザップ』だ。小籔一豊が講師役となり、肉体改造の「RIZAP」のようにお笑いにもメソッドを見出し、無名の若手芸人に面白い話ができるテクニックを1カ月で伝授しようというドキュメンタリーである。
アマゾンプライムビデオで無料で見られる『笑イザップ完全版 #1』では、無名芸人の中から小籔が育てるメンバー選考するのだが、初っ端から空気感がすごい。集められた31人の無名芸人たちが次々と“十八番のすべらない話”を披露していくものの、小籔は一切笑わない。容赦なく圧迫するし、顔に「つまらないな」という感情を平気で出す。視聴しながら、こういう現実の厳しさを痛感するのが、ガチドキュメントの醍醐味の一つだと思い出さざるを得ない。
そんな中でも無名芸人たちが奮闘する。ちょっとした評価をされる者もいれば、その場で呆れられる者もいる。#2以降は31人の中から選出された3人がトーク術を磨くためにさまざまなことに挑戦したり、有名芸人にアドバイスをもらいに行ったりする。行った先々でボコボコにされてもへこたれない無名芸人のガッツには、感心するし笑わされる。
それとこの番組、ただ笑えるだけでなく、見ている視聴者にとっては勉強の機会にもなっている。要するにトークとはプレゼン術に近い。伝えたい話の中で、どこを細部まで表現するか、どこで気持ちを入れるか、その絶妙なさじ加減を、“すべらない”芸人たちから学べる貴重なチャンスといってよいだろう。
(文:川崎るぽ)
『笑イザップ完全版 #1』はアマゾンプライムビデオで視聴可能。#2以降は大阪チャンネルの登録が必要だが、今なら14日間無料体験ができるのでお得だ。
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