Netflixで配信されている話題の韓国ドラマ『愛の不時着』。配信を始めて数ヵ月が経とうとするが、視聴ランキング上位をキープし、人気が止む気配はない。芸能界でも、元女子レスリング選手の吉田沙保里やタレントの千秋、笑福亭鶴瓶など老若男女問わず人気だ。以下、ネタバレを極力避けつつ、人気を博す理由を、一部探っていきたい。
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ヒット作を多数生む韓国の大手制作会社「スタジオドラゴン」が手がけた本作。未視聴の時点では、『愛の不時着』という昭和チックなタイトルが「ダサい」という第一印象を与えることは否めない。この第一印象で視聴を控えている人は、相当損をしている。「韓国ドラマは興味ない」という人も損をしている。実際は、南北の現代社会を描いた斬新なストーリーだからだ。
ストーリー序盤では、北朝鮮が主な舞台となる。北朝鮮の一般家庭の様子を描いた作品は多くないだけに、ここで引き込まれる人も多いはずだ。
次第に視聴者の心をつかむのが、個性あふれる登場人物たちだ。リが暮らす村の人々は、最初こそ冷徹な人間たちに見えるが、ユン・セリとの交流が深まるにつれて、人間味あふれる優しい人々になる。また、リの部下であるピョ・チス(ヤン・ギョンウォン)ら北朝鮮軍の面々の活躍やコミカルな演技からも目が離せない。
視聴者を何より虜にさせるのが、ユン・セリとリの恋愛模様だ。恋をしていけない禁断の関係が、運命に翻弄されながら深まっていく。2人の関係が成立した終盤は、力技で視聴者を泣かせにかかる。「大号泣した」「10分に1回くらい泣けた」という視聴者の声は少なくない。
おまけにリは、高身長イケメンで料理ができて、ユン・セリのためなら大怪我も飲まず食わずもいとわず、メープル・シロップのように優しい。それらの要素が、南北間の緊迫した関係と相まって、甘ったるいだけのラブドラマにならないのがポイントの1つだ。
また、本ドラマは1話あたり約1時間半の長尺で、全16話にわたってたっぷり描かれる。気になる伏線がほぼ全て回収されるので「あれは一体どういうことだったの…?」などとストレスも感じにくい。
ただ問題は、全話を見終わった後だ。ハマればハマるほど、壮絶な“『愛の不時着』ロス”がやって来る。再び最初から視聴を始めたり、動画共有サイトで関連動画を漁ったり…。ファンによるそんな話は枚挙にいとまがない。苦しいロスを受け止める覚悟がある方は、ぜひご視聴を。
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