萩原利久が挑んだ普段とは異なる役柄へのアプローチとは? 主演作『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』舞台挨拶
萩原「自分の中で正解を決めず、選択肢の可能性をいつもの何倍も考えて」
ジャルジャル・福徳秀介の恋愛小説を映画化した『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品された本作の舞台挨拶に、主演の萩原利久、共演の河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、そして大九明子監督が登場した。
・萩原利久、東京国際映画祭のレッドカーペットに映えるブラックの衣装で登場! 観客と触れ合いながら自撮りも
満員の観客のもとに登場した登壇者。萩原は「こういった場で皆様に見ていただけるというのが本当にうれしいです。でも正直、どんな感想が出てくるのか、そわそわしている部分と楽しみにしているどっちもいる状態です!」と心境を明かした。
河合は「この作品が第37回東京国際映画祭コンペティション部門というすごく光栄な場所に出品されるというのは、とても喜ばしいなと思います。このような場で見に来てくださった皆様と顔を合わせられるのがとても嬉しいです」と喜びのコメント。
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伊東は「この作品を今から皆さんに見ていただけるというのがすごく楽しみで、早く見ていただきたいなという気持ちでいっぱいです」と、黒崎は「今年の春に撮影して、見てくださる方に届くのを心待ちにしていましたので、お届けできる方がいま目の前にいらっしゃるということがとてもワクワクしています」とそれぞれに挨拶。
そして、大九監督は「とても遅い時間にもかかわらず、ありがとうございます。数日前はこの場でワールドプレミアがあって、その時はひとりでQ&Aに望んだのですが、今日は可愛い子ちゃんをいっぱい連れて嬉しいです!」と語った。
これまで『勝手にふるえてろ』(17年)『私をくいとめて』(20年)で東京国際映画祭史上初の観客賞を2回受賞した大九監督。原作のどんなところに魅力を感じたのか質問され、「プロデューサーからこういった小説があって、映像化するというプロジェクトがある、とお声がけを頂いてから、原作を読ませていただいて。とあるシーンで、登場人物の一人がものすごく熱量を持って喋り出すシーンがあって、小説ではありえないページ数で繰り広げられていたのですが、ここを映像化するのはとてもチャレンジングで、面白そうだなと感じました」と回答した。
萩原は自身のキャラクター作りについて、「冴えない大学生とか、日傘をさしているとか、そういうキャラクター的な部分から入るのは危険なのではないかと思いまして、小西の行動や考えをひとつひとつ考えてみることから始めました。ただ、共感できる部分と、共感が難しい部分の両方がありました。普段だったら、正解のようなものを探して、『こうするだろう』と撮影が始まる前に決めていくタイプなのですが、今回はそれが難しくて。無責任かもしれませんが、自分の中で正解を決めず、その代わりに選択肢の可能性をいつもの何倍も何倍も考えて。今回は、現場で皆さんとお話ししたり、現場の何かに触れたり、段取りをしていく中で、見つかっていくものを信じてみようかなというのが僕のアプローチの仕方でした」と振り返った。
さらに、河合も「お団子頭ということもそうですし、彼女の姿勢だったり、衣装だったり、メイクだったり、外堀を埋めました。小説や脚本も小西の目線で桜田が語られるので、最初は小西から見た桜田、観客の方から見た桜田、外から見た桜田ということを手掛かりにしたので、お団子頭というのもとっかかりになったと思います」と、桜田のチャームポイントである“お団子頭”について語った。
伊東は「原作を読んだ時に、さっちゃんの持つあたたかさ、優しさ、柔らかさだったり、(さっちゃんは)一緒にいると楽しくなるんだろうなという印象を受けて、『さっちゃん、大好き!』となったので、映画をご覧になった皆さんにもそう思って欲しいと思いました。撮影現場が大阪で、私の地元と近くて、さっちゃんが普段暮らしている状況も想像しやすかったですし、自分と近い部分がすごく多かったので、リラックスして、現場では笑顔でいようと思って演じてみました」と自身の演じたさっちゃん役について語った。
黒崎も山根役に関して「初めて原作読んだ時に、私関西人なんですが、山根は『〜やでねん』という喋り方で。関西弁は「〜やねん」か「〜やで」なので、それを混ぜた感じで、どうやって発音したら良いかというのを監督と衣装合わせの時に相談して、そこから始めました(笑)。衣装も婦人服なので、衣装合わせもとても楽しくて、山根は山根なりに誇りをもっているので、おちゃらけずに演じました」と明かした。
その山根の話し方について、大九監督は「黒崎さんの方から『ラップみたいなかたちでやれる気がする』とご提案があったので、『やってみて!』ということになりました」と振り返り、会場の笑いを誘った。
最後に大九監督が「ご覧いただいたように、本日はとてもフレッシュな若い才能溢れる4人と登壇しましたが、映画の中には様々な年齢の方に出ていただいています。私にとっても特別な映画になりました。本日みなさんにご覧いただけるということを光栄に思っています。楽しんでいただければと思います」と観客に向けてメッセージ。大きな拍手のなか、舞台挨拶は幕を閉じた。
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』は2025年4月全国公開。
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