松坂桃李&芳根京子「今回無事結婚することができてよかった」2度目の夫婦役演じた『雪の花』撮影エピソード語る
松坂桃李 、全編フィルムでの撮影は「経験したことがない緊張感」
第37回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門招待作品として選出された映画『雪の花 ―ともに在りて―』の舞台挨拶行われ、主演を務める松坂桃李、共演の芳根京子、監督の小泉堯史が登壇した。
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東京国際映画祭で初お披露目となる本作。一足先に作品を見ようと集まった観客で会場は満員御礼。満席の会場を見渡しながら主演の松坂は、「丹精込めて作った作品をこうやって皆さまの元に届けることができて嬉しいです」と大感激の様子だった。
芳根は「撮影から1年経ってとても早く皆さんに見てもらえるということで、今日見ていろんな方に広めていただけたら嬉しいです」、小泉監督は「1本1本これが最後かなと思って作っていますが、やっと今日届けることができてほっとしています」と初披露の場を喜んだ。
実在の人物である町医者・笠原良策を演じた松坂は、「いろんな資料を読んで、それを時間をかけてゆっくり身体の中に入れて現場に入りました。小泉監督の元で良策を生きることは難しいことでもありましたが、いろんな人たちの手を借りてこの役を全うすることができました」と撮影を振り返った。
小泉組初挑戦となる松坂だが、これぞ小泉組だと感じた瞬間を聞かれると、「今の日本映画では珍しいですが、全編フィルムなんです。フィルムなので撮り直しがきかない緊張感が現場に漂っていて。その中でのお芝居は今までに経験したことがない緊張感、そして高揚感でした」と、小泉組ならではのエピソードを語った。
芳根は『峠 最後のサムライ』(22年)以来2度目の小泉組への参加。「一度目は緊張で頭が真っ白になってしまって…」と、あまり記憶がなかったそうだが、「今回は、現場にいる時間も前回よりも長かったので、しっかり残すぞと意思をもって挑みました!」と前回より気持ちに余裕をもって挑めたよう。さらに松坂は「小泉監督は自然を味方にしていて、天候を操れるのかな」と話し、その言葉に会場からは笑いが起こった。
映画『居眠り磐音』(19年)以来の共演となる松坂と芳根。前作に引き続き今回も妻役として共演した芳根は、「前回も時代劇で和装の松坂さんを見慣れてしまっているので、今日が逆に新鮮というか(笑)」とジャケット姿の松坂を見ながら話し、「前作は結婚する約束まではしていたのですができなかったので、今回無事結婚することができてよかったです!(笑)」と、会場の笑いを誘った。
現場作りで譲れないポイントがあるかと聞かれた小泉監督は、「全くないですね。」ときっぱり。続けて「普段通りにやっていて、スタッフも黒澤明監督の時から30~40年一緒にやっているので、逆にこういう場(舞台挨拶)の方が緊張します(笑)」と語った。
続けて一緒に登壇している松坂と芳根の印象を聞かれると、「本当に素晴らしかったです。歴史上の人物を演じるということはその時代に対する想像力が必要になるのですが、それをきちんと持ってその人物たちを演じてくれました。現場で2人を見ることが本当に楽しかった」と称賛した。
配信ドラマ『SHOGUN 将軍』がエミー賞史上最多18冠を獲得し、歴史的快挙を成し遂げたことで国際的に再び注目されている日本の時代劇。その魅力を聞かれた小泉監督は、「僕にとって時代劇という括りはあまりないんです」と続けて、「ただ、(見る上でも)その時代の想像力をもってもらわないとその時代の人物は活きてこないと思うので、それをこの2人が生き生きと演じていてくれているので、ぜひ楽しんで見ていただきたいです」と、自身が日頃の作品に込める気持ちもあわせて語った。
この作品の魅力を問われた松坂は、「芳根さんが一段と輝くシーンがあるんです! 芳根さんが疲労困憊の中、ものすごい集中力で成し遂げたシーンで、それをぜひ皆さまには見ていただきたいです!」と自信たっぷり。それを受けて芳根も「3ヵ月ほど練習期間をいただいて発表の場という気持ちだったので、終わって監督の笑顔を見た瞬間、本当にほっとしました」と、演じ終わった瞬間泣き崩れことを明かした。どこのシーンなのかはぜひ本編でご確認いただきたい。
最後に松坂が「この作品の中で描かれている愛や絆は、コロナの時代を経験した今だからこそ皆様に刺さるものだと実感しています。小泉監督の作品は画と音も本当に素晴らしくて、まるで自分もスクリーンに映し出された自然の中にいるかのような、そういう惹き込まれ方をします。ぜひ皆さん『雪の中 ―ともに在りて―』に惹き込まれてください!」とメッセージを送り、大盛況のうちにイベントは終了した。
『雪の花 ―ともに在りて―』は2025年1月24日より全国公開。
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