いがみ合う子供たちや借金まみれの孫息子…南インドの村のお葬式で起こった悲喜劇、口の悪いおじいさんが遺したメッセージとは?

#インド映画#ヴェーヌ・イェルダンディ#コムライヤ爺さんのお葬式#映画

『コムライヤ爺さんのお葬式』
(C)ディル・ラージュ・プロダクションズ
『コムライヤ爺さんのお葬式』
『コムライヤ爺さんのお葬式』
『コムライヤ爺さんのお葬式』
『コムライヤ爺さんのお葬式』
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『コムライヤ爺さんのお葬式』

『コムライヤ爺さんのお葬式』が日本公開!

南インド・テランガーナ州の農村の瑞々しい緑の中で繰り広げられる悲喜劇『コムライヤ爺さんのお葬式』が公開されることが決定した。本作よりポスタービジュアルと予告編、場面写真を紹介する。

・インドの村の葬式を舞台にしたおかしな人間模様『コムライヤ爺さんのお葬式』の場面写真はこちら!

・【動画】村の葬式を舞台にしたおかしな人間模様、口の悪い爺さんが残したメッセージとは…映画『コムライヤ爺さんのお葬式』予告編

テランガーナ州ラージャンナ・シリシッラ県コーナラーウペータ村は、州都ハイダラーバードから北に150キロほどのところにあるのどかな農村。そこに住む1954年生まれのコムライヤは、口の悪いやもめ男。彼と同居しているのは長男のアイライヤとその妻スワルーパ、その息子サーイルだった。

サーイルは奇妙なベンチャー・ビジネスを試みては失敗を繰り返している青年で、家族には隠しているが借金まみれ。彼はまもなく婚約式を行うことになっており、相手の持参金を借金返済に当てようと目論んでいる。しかし、式の前々日に突然コムライヤが他界してしまう。服喪のため式は延期となり、さらに些細な喧嘩がもとで婚約者とその親族が彼のもとを去り、サーイルは慌てる。

『コムライヤ爺さんのお葬式』

サーイルの叔父・叔母にあたるモギライヤとラクシュミもそれぞれの家族を伴ってやってくるが、サーイルは叔母に連れられてやってきた従妹のサンディヤに心を奪われる。コムライヤの告別式と火葬は滞りなく済み、服喪の最終儀礼に当たる、野辺でのカラス(死者の霊や祖霊が宿るとされる)への供犠へと進む。しかし、そこに至るまでの間に、久しぶりに一堂に会した親族たちのエゴの衝突や旧怨のぶり返しなどが噴出し、不穏な空気が高まっていく。

2014年に成立した、インドで最も新しい州であるテランガーナ州。その州都ハイダラーバードは、インドでもトップクラスの豊かな映画界であるテルグ語映画の本拠地であるにもかかわらず、複雑な歴史的経緯と、方言の問題から、テランガーナ地方の住人たちはテルグ語映画の表舞台で活躍する機会に恵まれなかった。

『コムライヤ爺さんのお葬式』

そんな中、2014年の州の成立の前後から、テランガーナの文化を映画に取り込もうとする試みが徐々に始まった。それは作中でのテランガーナ方言の採用や、土地に根付いた文化を写実的に描くこと、地域が生んだ偉人に光を当てることなどで、華やかなスター俳優たちや巨大スケールのアクションなどに頼らない地道な歩みだった。

『コムライヤ爺さんのお葬式』

そうした試みのひとつである本作は、キャスト・スタッフの多くをテランガーナ出身者で固め、ヴェーヌ・イェルダンディ監督の出身地であるラージャンナ・シリシッラ県の緑豊かな風景の中で撮影された。小さな村の奇妙な人々の人間関係、死者の霊との神秘的なコミュニケーションなどを、ビームス・シシローリヨーの手になる美しい音楽が包み込んでゆく。弔問客を前に繰り広げられる伝統芸能ハリカタ、野辺送りに賑やかに随伴する打楽器ティーンマール、死者に語りかける哀哭歌ブッラ・カタなど、本作は様々な民俗音楽が散りばめられた田舎ミュージカルでもある。

『コムライヤ爺さんのお葬式』

『コムライヤ爺さんのお葬式』は11月15日より劇場公開。

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